出版社内容情報
この魔界に迷い込んだら逃げられない!
少女失踪、めくるめく悪夢…
まさかの真相にあなたは絶句する――
全読者震撼のホラーミステリー!
その魔界の罠にはまったのは
少女だけではなかった――
ここは青い夜露に濡れた甘い匂いの土の国――
狂気の恋に落ちた女子高生、奇妙な絵の修復を依頼された女、不治の病に侵された男、
謎のケモノと少年、死んだ人間が見える女……
都市の真ん中の城山の周辺で不可解な悲劇に見舞われる人々。
森の魔界にからめとられ悪夢を見た彼らに救いの時は訪れるのか――
驚愕の真相に戦慄する傑作ホラーミステリー!
内容説明
ここは青い夜露に濡れた甘い匂いの土の国―狂気の恋に落ちた女子高生、奇妙な絵の修復を依頼された女、不治の病に侵された男、謎のケモノと少年、死んだ人間が見える女…都市の真ん中の城山の周辺で不可解な悲劇に見舞われる人々。森の魔界にからめとられ悪夢を見た彼らに救いの時は訪れるのか―驚愕の真相に戦慄する傑作ホラーミステリー!
著者等紹介
宇佐美まこと[ウサミマコト]
1957年愛媛県生まれ。2006年「るんびにの子供」で第1回『幽』怪談文学賞短編部門大賞を受賞。2017年『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門を受賞する。19年『展望塔のラプンツェル』で「本の雑誌が選ぶ2019年度ベスト10」第1位に選出され、第33回山本周五郎賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
86
★★★★★宇佐美さんらしさ満載の大好物の連作短編集。登場人物がだんだん繋がっていき、背景がどんどん広がり、物語の奥行きがぐんぐん深まっていく。ぐいぐい惹きこまれて夢中で読み耽った。どこまでも続いていく闇の連鎖。じわじわと濃くなる違和感が氷解する最終話にぞくぞく。まだ続きがありそうと感じた私も城山に暗闇に囚われてしまったのかもしれない。読む終わるのがもったいなくて、何度も読み返したい至高の一冊。2021/10/30
itica
84
ある地方都市のシンボル的存在、こんもりとした低い山の頂に建つ城。人々はその城を見上げながら、あるいは囚われながら暮らす。そんな街で起こった、ホラーテイストの中にミステリとファンタジーが混在する連作的な10の話。昼なお暗い森の中で蠢く何か。人々の心に棲む鬼。常にじっとりと湿った空気にまとわり付かれた読書だったが、どんどんのめり込む気持ちを抑えられなかった。私もこの城に囚われてしまったのかもしれない。 2021/10/01
オーウェン
65
暗い境遇だったり、痛々しい過去。 またそれが連鎖式に繋がっていく。 宇佐見さんってダークな物語ばかりだけど、これは短編のように集められた9つの物語。 それが次第に関係のあることが分かっていき収束していく。 ミステリ的な味付けや、サスペンスにホラーとバラエティに富んでいる。 でもどれもアンハッピーエンドにしか思えない描写が多い。 命をも奪っていく奇怪な虫の存在も不気味だし、ラストの会話もゾッとした。2022/09/22
スカラベ
55
城山を囲む街の中での出来事が短編で綴られる。恐らく筆者の生まれた愛媛県松山市が舞台。市の真ん中にこんもりとした山の上にそびえる松山城を、たまたま事前に映像で観たので、あたかもVRゴーグルをつけて物語の中に入り込めたような気がする。短編といってもそれぞれの登場人物は時空を超えてリンクしていたり、ある生き物が姿を変えて立ち現れたりと、一筋縄ではいかない繋がりが物語を1つの大きな闇の世界へと変貌させているかのよう。「角の生えた帽子」の短編『城山界隈奇譚』も同じ舞台。宇佐美さんの実体験が語られているのかも。2021/12/09
なっち
46
単行本でも読んでいるので2回目なんだけど、やはり断片的にしか覚えていないもので同じところでまたヤラレた!!そして面白い本というのは何度読んでもやっぱり面白い!2021/08/28