出版社内容情報
あの〈剣豪〉宮本武蔵が一葉、漱石、子規、?外ら明治の〈文豪〉たちと出会ったら――鬼才の爆笑タイムスリップ&ユーモア小説!
内容説明
佐々木小次郎との巌流島対決を制した剣豪宮本武蔵。しかしその後は仕官もかなわず不遇の日々。そんな武蔵が大坂の陣で意識を失い、目が覚めると、なぜか時を越え明治時代の東京に。人力車の車夫になった武蔵は、小次郎の妹・夏に瓜二つの樋口一葉の紹介で、夏目漱石、正岡子規ら文士とも知り合うが、つい“小説家志望”と口を滑らせてしまい…!?
著者等紹介
田中啓文[タナカヒロフミ]
1962年大阪府生まれ。神戸大学卒業。93年「凶の戦士」で第2回ファンタジーロマン大賞佳作入選、ジャズミステリ短編「落下する緑」で「鮎川哲也の本格推理」に入選しデビュー。2002年『銀河帝国の弘法も筆の誤り』で第33回星雲賞日本短編部門、09年短編「渋い夢」で第62回日本推理作家協会賞短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タイ子
74
剣豪宮本武蔵が、文豪に?!これは田中さんでしか書けない小説かも。冒頭から小次郎との巌流島決戦の話になって、武蔵物語に入っていくもある事から突然250年の時を超えて明治時代にタイムスリップ。見たこともない世界にとまどう武蔵の前に現れた最初の女性が樋口一葉。人力車で生計を立てながら一葉の小説に惹かれ、小説を書きたいと夢は膨らむ。明治の文豪たちが数々登場で彼らの史実通りのエピソードを挿入しているので面白い。剣よりペンを選んだ武蔵の小説は?納まるところに納まるのが気持ちいい。小説家のご苦労をお察しいたします。2020/06/25
タツ フカガワ
39
巌流島で佐々木小次郎を倒した武蔵は、江戸に下って柳生宗矩と対決する。が、そのとき武蔵はタイムスリップして明治時代へ。路上でふらつく武蔵を助けたのは樋口一葉。やがて人力車夫となった武蔵は正岡子規、夏目漱石、森鴎外らの知己を得て、小説家への夢を抱くようになる。ファンタスティックなユーモア時代小説で、剣を筆に代え剣豪から文豪への変身は思った以上に面白かった。2022/08/23
マッちゃま
19
さすがベテラン上手いなぁ〜と満足して読了。帯に書かれた「爆笑必死!痛快時代エンタメこの面白さ天下無双!これが真の二刀流‼︎剣豪が時を超えて文豪に転職⁉︎」に偽り無しでした。剣豪 宮本武蔵がタイムスリップして明治の東京へ。樋口一葉、正岡子規、夏目漱石らと知り合う。200年後の世界に戸惑いながらも順応し生きる武蔵。周りに助けられ、たくさんの出会い(楽しいものもあれば不愉快な連中とも)が武蔵の血肉となり小説を書き上げていく。読み終えてホロリくすりウヒヒなのです。強さだけを追い求めた剣豪 の成長譚でもあるのかな。2021/01/13
Norico
19
宮本武蔵が佐々木小次郎の力で未来に飛ばされ、文豪になる。という破天荒な面白さ。人力車ひいたり、野球したり、かとおもえば、宗教や女性の社会進出の問題に対峙したりと大忙し。正岡子規、森鴎外に夏目金之助も大絶賛の宮本ひさし先生の作品も読んでみたいなぁ2020/07/23
きょん
14
宮本武蔵が明治にタイムスリップして大活躍。樋口一葉や森鴎外、夏目漱石、正岡子規と文豪たちが登場してくるのも楽しかった。2020/06/16