出版社内容情報
待望の青春時代小説新シリーズ!剣か針か――剣才ある町娘と刺?職人を志す若侍。ふたりの人生が交差したとき事件が……
内容説明
深川の縫箔(刺繍)屋丸仙の娘・おちえは「弟子入りしたい」と丸仙を訪れた若侍・吉澤一居に心を奪われる。娘斬殺事件が江戸を震撼させるなか、新たな事件が―。あでやかな刺繍を生み出す職人技と、その対極にあるような剣術。ふたつの世界に生きるおちえと一居の葛藤と成長をみずみずしい筆致で描く、一気読み必至の時代青春ミステリー!
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師をへて、1991年デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、『バッテリー』シリーズで小学館児童出版文化賞、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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樋口佳之
58
平明な、ごく日常的な言葉を用い、丹念に紡いでいくうちに、美しく、滋味あふれる物語になる。(解説)/確かに、著者のお話、強い影響を受けているらしい藤沢周平作品、優れて平明であるという点に一致があると思う。/いろんなシリーズで活躍の剃刀の仙五朗親分は、著者の理想的岡っ引き像なのかしらん。出演回数では主役級、野球のストッバーみたいな使い方だな。2023/06/23
すしな
38
091-25.剣術が得意な江戸の町娘が、連続少女殺人事件の真相に迫る物語でした。江戸の娘にとって剣術は実生活では役に立たないものですが、ひたむきに鍛錬を重ねる姿は、部活や趣味に打ち込む現代の女子にも重なりました。また、家業である縫箔屋の描写からは、技を極める厳しさや、機械では再現できない手仕事の美しさが伝わってきました。そうした技巧を見極め、惜しまずお金をかけていた江戸の人々の感性が、今の日本文化の豊かさや世界からの評価につながっているのだと思いました。今後の活躍にも期待です。2025/11/12
のびすけ
36
久々のあさのあつこさん。縫箔屋丸仙の娘・おちえの時代青春ミステリー。おちえは器量良しで、剣術の腕前はかなりのもの。縫箔職人を志して丸仙に弟子入りした若侍・吉澤一居、「おいち不思議がたり」にも登場した岡っ引きの仙五朗親分らとともに、娘斬殺事件の真相に迫る。ラストがやや駆け足だったか。さらっと読了。2020/08/14
カピバラ
36
安定のあさのあつこ。すらすら読めて、かつ面白い。ミステリーにしては謎が少し浅かったけど、人物の絡み方やキャラは魅力的。一さんが素敵だ〜!2020/01/13
ユメ
35
縫箔屋「丸仙」の娘おちえは、剣術道場の門下生の中で無敵に近い強さを誇る。だが、町娘では剣を握って生きることは叶わない。そんなおちえの前に現れた吉澤一居は、彼女とは対照的な存在。武家に生まれ、卓越した剣の腕を持ちながらも、一居は「丸仙」に弟子入りしたいと願う。こちらも身分の壁を越えることは容易くない。2人が入れ替われるなら万事上手くいくものの、もちろんそうはいかない。それがいっそうほろ苦いのだ。女として縛られたものになるはずだったおちえの将来は、一居との不思議な縁によって読めなくなる。早くも続刊が楽しみだ。2019/12/14




