出版社内容情報
江戸の若き職人が美しい花簪で、悩める人々のこじれた心を癒す――大ヒット「鯖猫長屋」シリーズ著者が贈る珠玉人情小説集。
内容説明
こじれた心の糸ほぐしに努める江戸の若き花簪職人の成長譚。花簪職人の忠吉は仕事場も住まいも失い、“ふるさと”麻布大中寺に戻った。育ての親、杉修和尚の寺男を務め、幼馴染の住職・以風、少女さきと暮らしている。幼い頃の辛い経験が心を塞いだらしく、さきは言葉を発しない。片想いに悩む男に忠吉が贈った小菊の花簪が縁結び役を果たし、「恋が叶う」と評判に。殺到する注文に戸惑いながら、忠吉はさきの心を開く方法を思案する…。
著者等紹介
田牧大和[タマキヤマト]
1966年東京都生まれ。2007年「色には出でじ風に牽牛」(『花合せ』に改題)で第2回小説現代長編新人賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らび
33
物語的にはほろっと人情劇なかんじでいいかもですが、忠吉の優柔不断な性格やいくら幼なじみとはいえ大吉との大人げない物言いがしつこくて「またか・・」と互いに思い合ってだと毎回言いつくろうかんじも飽きてしまいます。2019/03/03
のびすけ
26
花簪職人の忠吉が寺で花簪の仕事をしつつ、訪ねてくる人の心の糸をほぐす手助けをする物語。初めは花簪のお仕事小説かと思ったけど、後半花簪は影を潜め、寺に住む耳が聞こえない少女さきちゃんをめぐる物語でした。要素を色々と盛り込み過ぎて、少し散漫になってしまった印象。ただ、最後はさきちゃんの問題も解決して心温まる終わり方で良かった。2022/01/25
ふみえ
12
今も昔も女子はアクセサリーが大好きだし、恋がかなう呪い付だと更にテンションはあがる。簪職人の忠吉や大中寺の面々、可愛いさきちゃんのこれからが知りたいところ。続編はないのか?2019/11/12
ううち
11
仕事場も住むところも失ってしまった花簪職人の忠吉が、育ての親のいる寺に出戻り、花簪を作りながら寺男としてのお仕事をこなし、耳の聞こえないさきの面倒をみたりとなかなかに忙しい。お食事がとっても美味しそうでした。内容の割には表紙絵がキュートすぎるか?2021/02/17
たーくん
10
こじれた心の糸ほぐしに努める江戸の若き花簪職人の成長譚。花簪職人の忠吉は仕事場も住まいも失い、“ふるさと”麻布大中寺に戻った。育ての親、杉修和尚の寺男を務め、幼馴染の住職・以風、少女さきと暮らしている。幼い頃の辛い経験が心を塞いだらしく、さきは言葉を発しない。片想いに悩む男に忠吉が贈った小菊の花簪が縁結び役を果たし、「恋が叶う」と評判に。殺到する注文に戸惑いながら、忠吉はさきの心を開く方法を思案する…。2022/07/15