出版社内容情報
洗濯機で女性が感電死する。製造元のK電気工業は欠陥を認めず、非難される。被害者家族の絆を壊す手紙を送り打開を図るが――。
内容説明
製品に欠陥のある洗濯機が原因で、女性が感電死する。製造元のK電機工業は欠陥を知りながらそれを認めず、世間から非難を浴びる。そんな悪い状況から抜け出したいK電機工業の成瀬は、被害者家族の平田夫婦や不買運動をしている人々の絆を壊すため、捏造した手紙を出す計画を提案する。その計画は思惑通りに進んでいくかに思われたが…。
著者等紹介
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948年福岡県生まれ。76年『幽霊列車』で第15回オール読物推理小説賞を受賞しデビュー。80年に『悪妻に捧げるレクイエム』で第7回角川小説賞を受賞。2006年、第9回ミステリー文学大賞を受賞。2016年、『東京零年』で吉川英治文学賞受賞。著作は600冊突破という金字塔を達成。幅広いファンを持つ、国民的ベストセラー作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coco夏ko10角
26
欠陥のある洗濯機が原因で女性が死亡、製造元のK電気興業の社長や社員、社員の家族、遺族、様々な立場の人物視点で物語が進んでいく。遺族に「補償金がはいるでしょう?」と連絡をよこす人、団体の人の神輿にのせる感じ、会社の対応ミスなど嫌な部分がよく書けてる。赤川次郎さんって時々ビジネスサスペンス書くけど、他のとちょっと違う感じで面白い。2019/08/06
ロマンチッカーnao
24
久しぶりの赤川次郎作品。しかし、最初に単行本として書かれたのは20年ほど前ということで、手紙という手段がまだ生きている最後の時代ですね。欠陥商品が原因で、人が死んだ。その対応をめぐり、会社内であれこれもめたり、被害者サイドも、周辺に助けてやろうって人が出てきて、大ごとになったりと、連絡手段は格段に進歩しても、人間って、進歩していないなぁ。。としかし、赤川次郎さんの作品は、読みやすい。2019/07/04
Book Lover Mr.Garakuta
10
自分には、ちょっと難しかった。特にビジネスについては良く知らない世界なので、素に読んで、ビジネスの世界はそうなのかと思った。2019/11/30
ちびごん
9
おー。感想第一号とは。なんともやるせない読後感。欠陥家電の犠牲になった一人の死をきっかけに平凡な家族が壊れていく。悪いことには悪いことが重なって連鎖して、誰も彼も不幸になってしまう。自業自得と言えばそうなんだろうけど、なんでそうなるかなぁ。赤川さんの作品は読みやすく、惹きつける文章が好き。なんだかんだで面白かったのだと思う。久しぶりに一気読みしたし(笑)2019/01/25
fengui
5
欠陥品を出してしまった会社側と被害者。それを取り巻く周囲の人たちの思惑と。 会話が多くて読みやすかったです。 この話題は古今東西問わなそうですよねぇ…。2022/09/14