出版社内容情報
30万部超のベストセラー『終電の神様』姉妹編!終電が終わり始発が走り出すまでの一夜に起きるドラマを描く切なくも温かい物語。
内容説明
シンガーを夢見て上京した女の子(「スタンド・バイ・ミー」)、終電でラブホテルに出勤する元商社マン(「始発のアフターファイブ」)、深夜の電車で寝過ごした彼女(「終電の女王」)…。終電が去り始発を待つ街で起きる、ささやかだけれど、かけがえのない5つの奇跡。読めば涙と希望が湧いてくるベストセラー『終電の神様』待望の書き下ろし続編!
著者等紹介
阿川大樹[アガワタイジュ]
1954年東京都生まれ。東京大学在学中に野田秀樹らと劇団「夢の遊眠社」を設立。企業のエンジニアを経て、シリコンバレーのベンチャー設立に参加。99年「天使の漂流」で第十六回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞。2005年『覇権の標的』で第二回ダイヤモンド経済小説大賞優秀賞を受賞し、デビュー。『終電の神様』で第9回エキナカ書店大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カメ吉
151
シリーズ二作目ですが前回より面白かった。前回は結局モヤッとした内容とだから何?って読後感だったけど今回はもっと各話がしっかりと形があった感がしました。新宿歌舞伎町をメイン会場に老若男女達の生き様を切なくも温かい終電から始発までのドラマとして上手く書かれていました。最初と最後の話を上手く繋げて前向きな終わり方が読後感を良くしてた。第四話『終電の女王』が特に惹かれました。2018/10/26
hiace9000
135
『終電の神様』シリーズ読了2作品目。終電から始発までの新宿歌舞伎町が舞台。夜通し眠らない街で、昼間に生きる人からは決して見えない悲喜交々を抱え、夜を生きる人々の切ない息遣い。夜明けまでの狭間で踠きながらも直向きに生きる男女の「ささやかにしてドラマチック」な日常をひと掬いし、寄り添い描き上げる。軽妙なタッチで気づけば引き込まれるリーダビリティは、森沢作品にも似た優しい読み心地。終電後は黎明のモラトリアム・アワー。やがて迎える夜明けの清新な眩しさと始動感は、読み手の心にも一条の希望と生きる勇気を届けてくれる。2023/12/10
みかん🍊
114
今回は終電というより始発の話、終電で出勤して夜働いて始発で帰る人もいる歌舞伎町で夜働くラブホの清掃員、飲食店、デリヘルドライバー等の人々の5編、様々な事情を抱えて働く人々を受け入れる街の一夜の物語、いろいろあるが最後は希望の持てる終わり方で読後感も良かった、寝過ごして山梨まで行ってしまった元カノを迎えに行く『終電の女王』が一番良かった。前回よりこちらの方が好きかも。2018/10/23
まさきち
113
終電が終わり、始発が動き出すまでの歌舞伎町を舞台にした5編の短編集。登場人物が丁寧に描かれていて入り込みやすく、ストーリーもしんみりさせながらも、最後にはちゃんと元気をくれるものばかりで、非情に気持ちよく読み終えることができた一冊でした。2019/07/08
Yunemo
113
前作よりもほのぼの感が伝わって、温かい気持のままに最後まで。5編の中に登場人物がさり気なく係わって来てそれぞれにその役割を果たしてますね。終電から始発までの時間って、こういう見方もできるんだ、との新鮮さ。始発のアフターファイブの意味を理解して。「市彩」とか「アイダ・カフェ」という店が、この時間を過ごす人にとってホッとする、人との繋がりを温かくする、そんな存在感を示していて、利用したいとの想いも膨らみます。新宿という場所設定では、もっもっとサバサバとした、人間味の薄い関係が予想されたのですが、外れて納得感。2018/11/04