出版社内容情報
新シリーズが待望の文庫化!「事件発生?嫌だな」史上最弱の刑事の活躍に笑って泣ける著者会心作。<任侠シリーズ>の面々も登場。
内容説明
甘糟達夫は「俺のこと、なめないでよね」が口ぐせのマル暴刑事だ。ある夜、多嘉原連合の構成員が撲殺されたという知らせが入る。コワモテの先輩・郡原虎蔵と捜査に加わる甘糟だが、いきなり組事務所に連行されて―!?警察小説史上、もっとも気弱な刑事の活躍に笑って泣ける“マル暴”シリーズ第一弾!“任侠”シリーズの阿岐本組の面々も登場!
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年にデビュー。警察小説の人気シリーズを数多く手がける。99年より空手道今野塾を主宰、臨場感溢れる武道小説にも定評がある。2006年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、08年『果断隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
407
任侠シリーズのスピンオフ。コミカルではあるが、オーソドックスな刑事物。せっかくのスピンオフなら、本シリーズとの共通項をもっと作って、企業再生とかも絡めてみて欲しかった。もちろん、そこそこ以上に面白いは面白いのだが、気弱な刑事という設定も、もはや手垢まみれで個性が薄く、どこかで見たようなストーリー。相棒役郡原の登場が最大の目玉であり、実際、いいキャラしてはいる。しかし、甘糟がいつも一人で組事務所をまわっている理由など、もう少し練ってくれれば、本シリーズの補完として楽しめたと思う。2020/09/25
ノンケ女医長
132
ブツブツ文句を言いながらも、自分のペースで成果をあげていく甘糟達夫巡査部長(35歳)の描写がとても良かった。上昇志向はあまりなく、日々の平穏を尊ぶ優しい警察官。「公務員は安定している」「何事もなく定年まで勤めあげたい」と言っているけど、緊張感に満ちた所属先にしっかり適応している。本人が気づかない才能を上司がフィードバックするやりとりも良かった。反社がふっと、心を許すような柔らかさと、土壇場で見せる勇気を兼ね備えた甘糟巡査部長の活躍を、今後も読みたい。2022/11/26
ひさか
124
ジェイ・ノベル2013年10月号〜2014年7月号,9,10月号掲載のものを2014年12月実業之日本社から刊行。2017年10月実業之日本社文庫化。マル暴シリーズ1作目。任侠シリーズに登場した甘糟さんの本編ということで読んで見ました。自信なげな甘糟さんの推理する過程がたいへんに面白く、興味深い。今野さんが語る警察小説は、いつも楽しくわくわくします。2023/03/27
chiru
124
『任侠シリーズ』の癒し系キャラ“マル暴甘糟(35歳)”を主役にした物語。これまでの甘糟さんは、ヤクザに弱腰な草食系マル暴という印象だけど、殺人事件を捜査する硬派な一面を見せてくれる。マル暴に向いてない…と思いつめる彼が、暴力団の絡む事件の担当になって苦悩する姿が可笑しい。そんな甘糟さんだけど、ヤクザを色メガネで判断せず人間として判断するところや、ヤクザではなく男同士として、互いに認め合う関係も素敵。任侠シリーズに登場する人物の中で、甘糟さんはダントツで好きかもしれません♪ ★52019/10/13
やな
113
任侠シリーズの甘糟刑事が主人公、冒頭は、頼りなささ満載でどうなることかと思いながら読み進めましたが、なんだかんだで大活躍でしたね。面白かったです(^-^)2021/04/30