出版社内容情報
麻雀、合コン、ラモーンズにボーリング――。一瞬で過ぎ去る大学生活の幸福と痛み、その全てがつまった最高の傑作青春小説!
内容説明
仙台市の大学に進学した春、なにごとにもさめた青年の北村は四人の学生と知り合った。少し軽薄な鳥井、不思議な力が使える南、とびきり美人の東堂、極端に熱くまっすぐな西嶋。麻雀に勤しみ合コンに励み、犯罪者だって追いかける。一瞬で過ぎる日常は、光と痛みと、小さな奇跡でできていた―。実業之日本社文庫限定の書き下ろしあとがき収録!明日の自分が愛おしくなる、一生モノの物語。
著者等紹介
伊坂幸太郎[イサカコウタロウ]
1971年、千葉県生まれ。2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞、「死神の精度」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で山本周五郎賞と本屋大賞をともに受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソルティ
322
最初大学生になりたての若者の気だるい日常で退屈な感じだったが鳥井の事件から一気に引き込まれた。みんないいキャラ。麻雀はよく分からなかったが、それぞれが仲間のことを想っている。散りばめられた細々が繋がっていくのがまたおもしろい。伊坂さんはこうだよね。でも西嶋と東堂の行く末のように言及しない箇所も結構あり、あとは想像、というのがまたいい。「確かに生きていくのは、計算やチェックポイントの確認じゃなくて、悶えて、「分かんねえよ、どうなってんだよ」と髪の毛をくしゃくしゃやりながら、進んでいくことなのかもしれない。」2019/12/15
mae.dat
281
サイコキネシスの南ちゃんや、難癖付けの手練れ西嶋くんなんかも出て来ます。でも伊坂幸太郎作品としては、設定の突飛さは少し抑え気味な感じもしてね。然し乍ら、こう言うので好いのですよって感じもしますね。大学1年の春から春夏秋冬を巡って、エピローグっぽい春に戻るので、1年間の男女5人の青春もの+αかと思って読んでいたら、何と4年生になっていて吃驚しましたよ。「俺は恵まれないことには慣れていますけど、大学に入って友達には恵まれましたよって、西嶋はずっと言っていた」って言う東堂さんの科白が好きだなぁ( ¨̮ )。2023/08/11
machi☺︎︎゛
168
5人の大学生の青春キラキラ物語。大学で出会った5人は性格も趣味もバラバラ。だけどその5人は誰よりも輝き毎日を楽しんでいた。現役大学生が読んでもアラフォーのわたしが読んでも、誰が読んでも面白いと言うんじゃないかな(✿´ ꒳ ` )捉え方や感じ方は年や個人によっても違うだろうけど、誰もが一度は経験したであろう希望と痛みと失望と期待の入り混じった気持ちを思い出した。懐かしくも新鮮なこの5人の続きをまだまだ読みたかった。2020/11/29
K
153
本屋で平積みにされてたので最近の作品なのかな、と思っていたら初出は10年以上も前だったんですね。大学生活の貴重な4年間を贅沢に、滑稽に、無駄に、有意義に、過ごす彼らに感情移入出来る人とは良い友達になれそうです(笑)自身の学生時代が終わるこのタイミングで読めたことも嬉しい偶然でした。これから"砂漠"へ足を踏み出す身としては「あの頃は楽しかったなぁ」とか思い出したり、実家の近所を散歩してしみじみしたり...いっそ小学生くらいからやり直したいなぁとまで考え始めてしまいました。なんてことは、まるでない。 2019/02/19
遥かなる想い
143
五人の大学生たちの青春像である。 美人の東堂嬢に群れる男達の生態と、 格好悪いが堂々としている西嶋の姿が 面白い。現実に臆することなく、 理想を求めた日々を 軽快に描く …そういう日々もあったなと 妙に共感できる、大学生たちの青春物語だった。 2022/10/13