出版社内容情報
あの日、日本で何が起きていたのか――「終戦記念日」と連続殺人の知られざる関係とは? 十津川警部が真相を追う!
内容説明
都内のホテルで八月十四日の深夜に殺された女性は、伊勢神宮に吟行の旅に出かけていた有名な俳句の先生だった。手掛かりも動機も見えない殺人事件に捜査は難航を極める。しかし、十年前に「八月十五日の殺人」と呼ばれる事件が起きていたとの情報があり、十津川警部は京都へ。さらに二十年前も「八月十五日の殺人」が…事件の真相には戦争の影が!?
著者等紹介
西村京太郎[ニシムラキョウタロウ]
1930年東京都生まれ。公務員生活ののち、数々の職業を経ながら創作活動を続け、63年『歪んだ朝』でオール讀物推理小説新人賞、65年『天使の傷痕』で江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。81年『終着駅殺人事件』で日本推理作家協会賞を受賞。2001年湯河原町に「西村京太郎記念館」をオープン。04年日本ミステリー文学大賞を、10年長谷川伸賞を受賞した国民的作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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fumikaze
11
「八月十四日夜の殺人」(文庫)。殺人事件そのものよりも昭和二十年八月十四日の出来事に重さを置いている。私は戦後生まれだが、両親や祖父母が生きているときにもう少し当時の話を聞いておけばよかった。でも、終戦当時を知っている人達って、その頃の事は(思い出したくないのか)話したがらないからないからなぁ。2017/11/21
fumikaze
4
私は殆ど戦争についての話を聞かずにきた気がする。父も獣医だったことで(本人談、獣医と医師は戦争に行かなくて良かったらしい)、戦争に行っていない。今になって、誰かに戦争の話を少しでも聞いておきたかったと思う。2024/06/30
からつ
3
十津川達は八月十四日の夜に起こった事件の捜査にあたるが、それはどう言うことか「八月十五日の殺人」として10年ごとに類似事件が起きていたと分かる。この10年単位が何処まで遡るのかと思ったが、なんと昭和20年終戦の年にまで遡るから物語は壮大だ。別本で玉音放送を巡るあれこれは読んだ事があったが、まさにあの日にまで遡る。あまりイデオロギーは挟みたくないのでそこの所の感想は述べないが、いつもの列車ミステリとは違った趣だった。ミステリと言うより、歴史物を読んだ感が強かったかな。2017/09/10
あきさん
0
犯人は明確にならずじまいで、少々モヤモヤ感が残った。賛否あると思うが、たまにこんなテイストの作品があるのが西村ワールド。2024/03/23