出版社内容情報
あと1本前に乗っていたら――? 夜の通勤・通学電車から動き出す運命と、深まる人生の“謎”。胸にじんわり感動が広がります。
内容説明
父危篤の報せに病院へ急ぐ会社員、納期が迫ったITエンジニア、背後から痴漢の手が忍び寄る美人―それぞれの場所へ向かう人々を乗せた夜の満員電車が、事故で運転を見合わせる。この「運転停止」が彼らの人生にとって思いがけないターニングポイントになり、そして…あたたかな涙と希望が湧いてくる、感動のヒューマン・ミステリー。
著者等紹介
阿川大樹[アガワタイジュ]
1954年東京都生まれ。東京大学在学中に野田秀樹らと劇団「夢の遊眠社」を設立。企業のエンジニアを経て、シリコンバレーのベンチャー設立に参加。99年「天使の漂流」で第十六回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞。2005年『覇権の標的』で第二回ダイヤモンド経済小説大賞優秀賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 4件/全4件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
498
「ヒューマン・ミステリー」と裏表紙に謳われているが、謎解きの要素はない。しいて言えば、O・ヘンリーのような、ちょっと気の利いた意外なストーリーというところ。登場人物が微妙に重なって、連作をなしているところに興味をひかれる。同じ列車に乗り合わせた人間それぞれの抱えるドラマを、別々の立場から描くような(実際には、そうはなっていないで、微妙にずれる)おもしろさ。2017/06/29
カメ吉
410
師走に入り色々と忙し過ぎて数ページ読んでは寝てしまい勿体ない読み方をしてしまった。七つの短編からなるある満員の終電の乗客たちの物語ですが、人身事故で電車が止まりそれに関わったそれぞれの人達のドラマが一話ずつ描かれていて徐々に各話がその人身事故と終電で繋がって面白かった。けど残念ながら私の読み方が悪く作品に申し訳ない気分です。2017/12/07
Yunemo
401
終電という言葉に惹かれて。懐かしくもあり、今の現状でもあり、ただ終電を利用すること、ほとんどなくなりました。終電と運転停止、により、偶然性の出会い、過去の時を紐解くポイントそして現実の今、いろいろな要素が織り交ざっての物語。インパクトは、終電での運転停止、そこに乗るいろんな、職業然り、男女・年代然り、嗜好もまた、人達の人生が瑞々しい感性のもと現されます。ジーンときて。タツ子さんの歌、この場面とちょっと違うよね、との想いに。「運転見合わせ中」とは雰囲気違って、ハートウォーミングという謳い文句、その通りかな。2017/08/06
SJW
285
夜の満員電車が様々な人々を乗せているが、事故で運転を見合わせる。それによって彼らの人生が思いがけない展開になっていく。痴漢に狙われた人、納期に追われて疲れはてたITエンジニア、競輪選手を恋人にしているキャリアウーマンなど7つの短編集で様々な仕事をプロとしてこなしている人達のハートフルミステリー。多くの仕事について細かく書かれているので仕事小説としても楽しめた。また最後の「ホームドア」にはつい涙腺が緩んだ。2018/07/31
ぷう蔵
266
満員電車、確かに特殊な空間である。移動手段としてそれを選んだ以外共通項のない人間が押し込められている。方法は同じでも目的はそれぞれ。しかも普段は踏み込んで欲しくない領域まで踏み込まれても良しとして、何もないかのように振舞って降りるまでの時間を過ごす。この特殊な満員状態は期限があるから良しとしているのに、ここで緊急停車、身動きは取れない。身動きが取れないほどであれば連絡も取りにくい。まして最終電車となれば、その後にある約束や移動手段も心配となる。この異常な、不安定な状況ゆえ狂ったまま歯車が少しずつ動き出す。2017/10/31
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