出版社内容情報
北海道・函館からやってきた刑事が拳銃を持った犯人を取り逃がし…浅草機捜隊刑事たちの奮闘を描く好評シリーズ第7弾!
内容説明
北海道警刑事・平和男は、違法DVD販売の疑いで、元中学教諭の男を管轄外の東京・西日暮里の自宅まで逮捕に向かうも、男は拳銃を発砲し逃走してしまう。ただちに緊急配備が発令され、機動捜査隊浅草分駐所の面々も出動するが、この事件の背後には特殊詐欺の影が。犯人をとり逃がし責任を感じる平は、意地の捜査で手がかりを掴もうとするが―。
著者等紹介
鳴海章[ナルミショウ]
1958年北海道生まれ。日本大学法学部卒業。会社勤務を経て、91年に『ナイト・ダンサー』で第37回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
110
シリーズ7作目。ハードボイルドタッチは健在だが、いつもの警察ものの色よりも「オレオレ詐欺」などの特殊詐欺を中心にした犯罪小説の趣が強く、社会派とも言える内容だった……年老いた母が心配になるほどのリアル感に背筋が寒くなるほど。レギュラー陣では小町が活躍するが、詐欺組織の頭・真藤のキャラが際立っていてダークサイドにいる者を単なる悪役として描いていないのが好感。そして、狡猾な犯罪者と地道に追う捜査官の視点が交互に入る構成で飽きずに読ませてくれた。元々の主役・辰見が定年を迎える最新作も必ず読まなくては‼2017/08/05
いつでも母さん
89
好きなシリーズの7弾目。今回が一番良いかもしれない。『オレオレ詐欺』(やってる方は『一発系』と云うらしい)の話に『マイナンバー』が絡むのだもの、どうしたって進むわぁ。本当に身近にあるよね。次々と考えつくもんだ。その頭を善の道に使ってもらいたいものだが・・数日前に読了した刑事ものでも感じたのだが、今作でも『刑事(デカ)に王道なし』と云う地道な捜査をする函館の刑事・平が良い。そしての刑事・小町、すぐそこまで来ている辰見の定年退職を思いのラストの感情は何なんだい?嗚呼、気になるわぁ。早く次が読みたい。2016/02/07
すずきさん
18
浅草機動捜査隊シリーズ7作目。特殊詐欺や若者の貧困問題といった社会問題と、地道な捜査で事件を解決していく刑事の視点で描かれた今作。辰巳の退職迄あと3か月。次作にも期待。2016/03/26
尾塚
17
道警の刑事が東京で被疑者を逮捕に失敗。翌日に被疑者は死体で発見。児童ポルノが容疑のはずが。特殊詐欺の新たな傾向や広域暴力団の分裂やら最近の話題満載。題名が「刑事道」なんですが、まさしく刑事が主役。地道な捜査が光りますね。特殊詐欺犯のチームリーダーのかけ子研修も驚き。一味違った警察小説で楽しめました。次作も楽しみ。2016/05/09
ブルーノ
15
浅草機動捜査隊シリーズ7作目。今作では特殊詐欺を始め、抗争や貧困など昨今の新聞やテレビでよく目にする事件がテーマに描かれていて、とても興味深く読んだ。事件を追う刑事の視点と、特殊詐欺を行う人物の視点からストーリーが進んで行き、様々な角度から事件の真相が明らかになっていく。騙す側と騙される側どちらが悪いのか…。今現在の社会の闇が浮き彫りになっているようだと思った。小町さんのたっぷりと含みを持たせたラストに、続編への期待が高まる。2016/03/09
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