出版社内容情報
日曜夕刻までに犯人を指摘せよ。平日は一般人、週末限定テロリストたちのアジトで殺人が。探偵役は不在? 閉鎖状況本格推理!
内容説明
テロ組織内部で殺人事件が起きた。この組織のメンバーは、平日は一般人を装い、週末だけ作戦を実行。互いの本名も素性も秘密だ。外部からの侵入が不可能な、軽井沢の施設に招集された八人のメンバー。発生した殺人の犯人は誰か?テロ組織ゆえ警察は呼べない。週明けには一般人に戻らなければならない刻限下、犯人探求の頭脳戦が始まった―。閉鎖状況本格ミステリー!
著者等紹介
石持浅海[イシモチアサミ]
1966年愛媛県生まれ。九州大学理学部卒業。2002年、光文社カッパノベルス新人発掘企画カッパ・ワンに応募した『アイルランドの薔薇』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aquamarine
62
テロリストシリーズ、「撹乱者」の続編ということのようですが特に読んでいなくても問題はないです。共通して出てくるのは串本氏のみ。指令をひとつひとつ別視点で語っていた前作と違って、今回は長編でしかもクローズドサークルで殺人が起こってしまいます。参加者それぞれの本名すら知らない状況で理詰めで犯人を導き出すという驚きの本格。出た答に納得させられてしまった事、組織の実態がなんとなく見えたこともあって前作と違って読後はすっきりです。ラストの一行も悪くないです。2016/02/27
ジンベエ親分
31
「攪乱者」に続くテロリストシリーズ第2作。視点人物が短編ごとに変わった前作とは異なり、今度は固定視点の長編。それもクローズドサークル。そりゃテロ組織だから、殺人事件が起きても警察には通報できないよな。飛躍やハッタリも駆使しながら犯人を特定する手法は碓氷優佳シリーズとも通じるものが。終盤明かされる組織の正体は驚いたが、犯人そのものは読者にも消去法で分かるので、驚きはさほどない。最後の1行には仰天したけど(笑) それにしても、これは「本格」の衣を着ているけど、実態は超社会派だね。面白かった。2018/01/06
Walhalla
30
『テロリスト』シリーズの2作目です。テロといっても、絶対に国民を殺めたりはしない方法で現政府を揺さぶろうと知恵を絞る様子は、石持浅海さんの作品らしく、あらゆる可能性を見逃しません。そして、物語はお得意の特殊なクローズドサークルに発展し、まさに真骨頂といえる作品に仕上がっていました。とても面白いです。私ですが、犯人は分かりませんでしたが、コードネームの由来にはすぐに気付いたので、ちょっと勝った気分です。ゾッとするようなエンディングもあり、最後の最後まで楽しめました。2023/04/12
じゅんぢ
30
事件内容も組織の正体も気になって一気に読めた。けどかんじんの真相がいまいちだった。それでもなぜか読んでしまう石持作品。2017/07/19
left7
26
これまた石持さんらしい作品でした。謎の解決を会話と論理だけで展開していき、それを読者に納得させてしまうお馴染みの流れで、石持作品のファンの私としては石持さんに期待した通りのもので、とても安心して読めました。解決の最後は石持さんらしくない部分があったようにも感じましたが、結末が想像を膨らませるものでいつもの石持さんの作品にはあまりない終わり方で少し新鮮に感じました。なかなか面白かったです。2016/10/26
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