実業之日本社文庫
果てる―性愛小説アンソロジー

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 267p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784408551951
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

内容説明

かつて駆け落ちをはかった男の身体を求めながら、娘への虐待を繰り返す妻。ストーカーに怯え、別れた恋人の部屋に飛び込むアラフォー独身女性。元夫からの養育費が途絶え、現実逃避を夢想する母親。妖僧に惑わされるイケメン修行僧…。人生の「果て」に直面し、夜の底で求め合う女と男の、切なく狂おしいまでの生と性を濃密に描きだす7つの物語。

著者等紹介

桜木紫乃[サクラギシノ]
1965年北海道釧路市生まれ。2002年「雪虫」で第八二回オール讀物新人賞を受賞。同作を含む『氷平線』で07年単行本デビューし、注目を集める。12年『ラブレス』で「突然愛を伝えたくなる本」大賞、13年同作で第一九回島清恋愛文学賞、同年『ホテルローヤル』で第一四九回直木賞を受賞

宮木あや子[ミヤギアヤコ]
1976年神奈川県生まれ。2006年「花宵道中」で第五回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞と読者賞をダブル受賞しデビュー

田中兆子[タナカチョウコ]
1964年富山県生まれ。八年間のOL生活を経て、現在は専業主婦。2011年短編「べしみ」で第一〇回「女による女のためのR‐18文学賞」の大賞を受賞

斉木香津[サイキカズ]
大分県生まれ。横浜市立大学文理学部卒業。2008年、第九回小学館文庫小説賞を受賞した『千の花になって』(小学館)でデビュー(同書は13年文庫化に際して『踏んでもいい女』と改題)

岡部えつ[オカベエツ]
1964年大阪府生まれ。群馬県育ち。2008年「枯骨の恋」で第三回『幽』怪談文学賞短編部門大賞受賞。09年、同作を含む短編集『枯骨の恋』が刊行され、エロスと怪談を融合した作風で注目される

まさきとしか[マサキトシカ]
1965年東京都生まれ。北海道札幌育ち。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞を受賞

花房観音[ハナブサカンノン]
兵庫県生まれ、京都女子大学中退。2010年『花祀り』で第1回鬼六大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

麦ちゃんの下僕

163
女性作家7名による官能(性愛)小説アンソロジー。タイトルには「エクスタシー」と「果て」両方の意味が込められているんですね。その点では、虐待や駆落ちをテーマにした宮木あや子さんの「天国の鬼」がベスト。田中兆子さんの「髪に触れる指」は性交シーンが無く、洗髪の描写のみで“官能”を感じさせる筆力に脱帽です!斉木香津さんの「嵐の夜に」はオチが良いですね(笑) まさきとしかさんの「南の島へ早く」は“母”から“女”への変化の描写が秀逸です。圧巻は花房観音さんの「海の匂い」…エロ坊主・秀建は嫌いですが喝采を送ります(笑)2022/05/31

❁かな❁

153
気になる女性作家さん達が生と性を描いたアンソロジー。読みたいと思っていたらお気に入りさんが送ってくれました!どの作品も官能的でドキドキしてしまいました(笑)大人の女性の心理を描かれていて、とても読みやすかったです。私は田中兆子さんの『髪に触れる指』が特にお気に入り♡切なく綺麗なお話でした*後、桜木紫乃さん『エデンの指図』、宮木あや子さん『天国の鬼』も良かったです☆斎木香津さん『嵐の夜に』、岡部えつさん『紅筋の宿』、花房観音さん『海の匂い』すごかったです!実力派の女性作家さんばかりでどのお話も楽しめました♪2015/01/04

ミカママ

115
いいなぁ、とても好きな種類の性愛小説集(というジャンルがあるらしい、覚えておこう)。どの作品もツカミからしてよく、短編ながらしっかり読ませてくれる。短編集ありがちな、読み足らなさ感もなく。同年代の作家さんも多いせいか、女性の身体と気持ちを充分に表現してくれている。中でもやはり宮木さんは秀逸。「身体的にひとつになることはあっても、法的にひとつになることは永遠にない」男女をこれ以上ない妖艶さで描いてくれてます。あぁ、満足。2015/04/27

青蓮

108
女性作家による愛と性を描く傑作アンソロジー。桜木紫乃さん、宮木あや子さん、花房観音さん目当てで読みました。どの作品も艶やかで濃密。中でも岡部えつさんの「紅筋の宿」の作品が背徳的な香りがして好みでした。岡部えつさんの他の作品も読んでみたい。花房観音さんが現役の京都バスのガイドさんであることを知って驚き。2015/10/13

なゆ

82
田中さん、宮木さん目当てで読んだアンソロジー。宮木さん、桜木さんはそれぞれらしい作品だな~という感想。残念ながら初読の4名さんについては、官能小説では好みかどうかよく分からず。それぞれに性描写に趣向を凝らしてるのだろうという予想を裏切るような意外性の田中兆子さんの作品が一番なぜだか印象的で好きだった。あからさまなエロよりも、間接的で微妙なそれのほうが官能的に思えてしまう不思議。2016/05/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8309564
  • ご注意事項