内容説明
鹿児島の下級武士の家に育ち、日々抜刀稽古に明け暮れていた中村半次郎(のちの桐野利秋)は「御先師」と敬う西郷吉之助(隆盛)と出会ったのち、公武合体を画策する島津久光に従い京へと向かう。後に「人斬り」として悪名を馳せ、西南の役を引き起こした首謀者として記憶されている桐野利秋の真実の姿と生涯を鮮やかに描く、著者渾身の大作!
著者等紹介
東郷隆[トウゴウリュウ]
1951年神奈川県横浜市生まれ。国学院大学卒業。同大学博物館学研究助手、編集者を経て作家に。94年に『大砲松』で第15回吉川英治文学新人賞を受賞。2004年『狙うて候銃豪村田経芳の生涯』で第23回新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おひゃべりのナオ@【花飛】ヤオイは三月の異名にあらず
8
元旦早々斬った張った。2015/01/01
播州
1
「人斬り」半次郎こと桐野利秋。暗く陰鬱なイメージとは一線を画する人物像に以外さ以上に親近感や驚きとともに読み進めていった。一つの男の在り方が描かれていた。幕末の薩摩像を詳細に浮き彫りにしており、その時代を理解するのに大きな役に立った。そしてなにより西南戦争の壮絶さたるや・・・。史実を重視している書き手で、今少し戦争描写が分かりやすければいうことなしだが、それでもかなり面白く読めたので満足。2014/10/09
左丘明
0
中村半次郎こと桐野利秋のイメージは悪い。幕末は「人斬り」の暗殺者として、明治は西郷隆盛を西南戦争に引きずり込んだ首謀者として、思慮の浅い猪突猛進型の男という印象がある。本作はそうした従来の桐野像を一新させる。薩摩藩の下級武士から明治政府の高官となるまで、ここに描かれる桐野利秋はまさに努力の男。青年時代から城山での死に至るまで文庫本にして700ページの大作だが、実に面白く飽きることがない。特に後半の西南戦争をめぐる記述は史実に忠実で読みごたえがあり、一方、西郷像の印象もずい分変わってくるのではないだろうか。2016/01/24
Ryu
0
桐野利秋を知りたくて読み出したが700頁!(驚)世に伝わっている誤った桐野像を払拭ししたものでした。全く無知から本書を読んだためスッと受け入れられましたが、世の桐野評価がそんなに辛辣だったとは…。戦描写など読みづらくありましたが、由緒ある資料を基にして書いてありますので、正しく知りたいときの一冊になるのではないでしょうか。筆者は何度も書かれてましたが、西南戦争は薩摩(全土) 対 政府だと思っていたので、そうでないことに衝撃を受けました。ただ、別府晋介に興味がありましたがそこは詳しくなかった。2015/05/21
yossi
0
★★2014/12/10