内容説明
群雄割拠の戦国時代を、清冽に、したたかに駆け抜けた軍師たち。乱世を生きた、彼らの本懐とは。人生最後の恋、軍師の敗北、男の涙、命を賭けた友情、家族との絆…。太田道潅、竹中半兵衛、片倉景綱、大谷吉継、黒田如水、毛利勝永など名参謀たちの生きざまを豪華作家陣が描く傑作歴史小説集。
著者等紹介
山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922~2001。兵庫県生まれ。少年時代から受験雑誌の小説懸賞に応募、何度も入選を果たしている。東京医科大学在学中に、探偵雑誌「宝石」に応募した「達磨峠の事件」でデビュー。ミステリー作家として活躍するが、1959年出版の『甲賀忍法帖』からは、“忍法帖”シリーズで一世を風靡する
吉川英治[ヨシカワエイジ]
1892~1962。神奈川県生まれ。父の事業の失敗で小学校を中退。川柳界で活躍した後、東京毎夕新聞に入社し社命で『親鸞記』を執筆、関東大震災を機に専業作家となる。初期作品には伝奇小説も多いが、1937年から連載した『宮本武蔵』以降は、歴史小説が中心となる。『新・平家物語』で菊池寛賞と朝日文化賞を受賞
末國善己[スエクニヨシミ]
1968年広島県生まれ。明治大学卒業、専修大学大学院博士後期課程単位取得中退。時代小説・ミステリーを中心に活躍する文芸評論家。新聞・雑誌などに書評・評論を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maito/まいと
20
戦国時代の軍師を題材にした短編集。この手の短編集読むと、昔の文豪の方々は独特の“型”があって、最初は違和感あるけれど、読み終わる頃には妙な高揚感が焼き付いてしまう。宮本武蔵以来の(久々)吉川英治作品は読めて幸せだった、やはりこの方が描く人物は柔らかさと重厚さを醸し出すし、松本清張さんが描くと、恵瓊が正当派主人公(笑)山田風太郎氏の作品なんて、独特すぎて夢に出てきそうだ(爆)どうしても読まず嫌いになりがちな歴史小説、たまにはお好きな作家さん以外の方の作品を読むのもいいですよ♪2014/12/16
くみ
18
山田風太郎、松本清張、坂口安吾、吉川英治、などなど執筆陣全員が豪華メンバーな「軍師」にまつわるアンソロジー。これはどれを読んでも、面白くないわけがないでしょう!!中でも私が1番好きだと思ったのは、オオトリの池波正太郎「紅炎」関ヶ原で負けた毛利勝永とその妻のお話。負けて山内家の預かりとなるが家庭円満な15年。そのまま安穏に暮らすのかと思いきや、大阪の陣勃発。15年経っても貫く勝永の強い意志、そんな彼を追っていく妻の於喜佐。愛はあるが筋は通す勝永夫婦に心が踊りました。池波先生の情愛溢れる筆致が本当に魅力的!2018/06/07
ぜんこう
17
軍師の話がわりと好きなので借りてみました。池波正太郎「紅炎」の毛利勝永の話は今まで知らなかったこともあり興味津津で読みました。 「~死なず」やけど死にます(^^;) 軍師の魂や心意気は不滅という意味なんでしょう(^^)2015/08/30
future4227
3
歴史作家の大御所が名を連ねる中、西村京太郎、坂口安吾など「えっ、この人も歴史小説書いてたの?」という意外性が楽しかった。でもやはり、新田次郎、松本清張、吉川英治、池波正太郎は別格。単に歴史をなぞるだけに留まらない、人生の悲哀を感じさせる深い作品に仕上がっている。特に池波正太郎の『紅炎』、新田次郎の『太田道灌の最期』は、名前はよく聞くけど詳しくは知らないという武将が描かれており、自分の歴史観を更に広げてくれたように思う。2014/04/04
どらんかー
2
大御所陣の贅沢な時代小説群2024/10/14