内容説明
42歳の奈津子は7歳年下の同僚・関口諒と激しい恋に落ちた。だが家庭ある身のふたりの恋は引き裂かれ、奈津子は仕事も家庭も失った。それから一年、ひとり暮らしを始めた奈津子の前に、再び諒が現れる。「恋人でなくてもいいから傍にいたい」という諒の真意を訝りながらも、孤独に苛まれる奈津子は誘いを拒むことができない。一度壊れた恋は蘇るのか、それとも…。
著者等紹介
碧野圭[アオノケイ]
愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年、ワーキングマザーをテーマにした『辞めない理由』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
262
【恋愛小説強化月間】前作からほぼ一気読み。この流れはきっと、世間からは受け入れられないだろなぁという囁きには、敢えて耳をふさいで。私自身ヒトヅマでありながら、気持ちはずっと奈津子に寄り添ってましたんで。女性って恋をすると「彼を本当に愛しているのか、それとも…(作中p.51より)」って迷うものだと思うけど、早々に決断した彼女と諒が潔い。夢を与えてくれた作品に感謝。2016/08/29
おしゃべりメガネ
169
シリーズ続編です。前作『情事の終わり』はタイトルにもあるように、性描写がそれなりでしたが本作はいい意味でシンプルなラヴストーリーでした。ネタバレになってしまうので、あまり作品のことは書きにくいのが、正直残念ですが、本作は改めて‘女性の生きるチカラ’をまっすぐにチカラ強く書いてくれています。前作からも「諒」も引き続き登場し、本作ではさらに魅力的なオトコにパワーアップしております。どうしても軸になる話は‘不倫’なので、決して明るい話ではありませんが、それでもひたむきに人を愛することの大切さが伝わりました。2014/12/12
utinopoti27
120
過去にダブル不倫のあげく、家庭も仕事も失った四十路女性・奈津子が暮らすアパートの前に、ひょっこり現れた男は、行方を告げずに別れたはずの不倫相手だった・・。本作は、人気シリーズ「書店ガール」でお馴染みの作者が描く、コテコテ不倫小説「情事の終わり」の続編だ。この手の小説は、ミステリ風の味付けで、とことん修羅場を描き込むのが王道と信じる自分にとって、本作の進行は、やや拍子抜けの印象が強い。ただ、読み手によっては、こうした「背徳のロマンス」が辿る軌跡に、ある種の予定調和を感じるかもしれない。読んで損はないだろう。2020/05/13
金吾
35
不倫は当人たちはよくても周りで傷つく人もいるだろうにと思いつつ、二人が上手くいったことでホッとしました。2024/09/18
assam2005
33
「情事の終わり」(単行本「雪白の月」改題)の続編。不倫の恋の行く末を描く。「愛がなくなったら離婚は当然」。この図式にイマイチ抵抗があり、じゃあ何故結婚したのか?と考えてしまう。ただ妻の立場として、ここまで拒否された相手と幸せになれるとも思えず、「自分の幸せ」を考えるなら執着する事はムダな様にも思える。だからといって不倫を肯定したくもない。複雑な心境のまま読了。全ては相手の気持ちの見たくない部分を目隠ししてきたツケなのだろうか。そして、皆が幸せにならずして自分の幸せもあり得ないと言うことは伝わってきた。2018/01/03
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