内容説明
中3の秋、竹中朱里は試合中のジャンプの失敗で足首を骨折。しかし数ヶ月のリハビリ期間に猛勉強し、名古屋のスポーツ強豪進学校に合格した。フィギュアスケート部でライバル達と切磋琢磨の日々を送るが、怪我で芽生えた恐怖心を拭うため、ある重大な決断をする―。競技と勉強の両立、家族やコーチ、仲間との関係などを活写した青春フィギュアスケート小説の傑作。
著者等紹介
碧野圭[アオノケイ]
愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』(パルコ出版、現・光文社文庫)で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
159
練習中に足を骨折。逆境に耐えて練習を再開。フィギュアスケートの名門校を狙い、スケートに勉強にどんどんハードルが高くなっていく。ところが親友はさらに深刻な問題に耐えていた。主人公よりつらい逆境に耐えている人物を登場させると主人公への共感が薄まるという、小説書きの有名な法則通りの印象となった。小説は悪くないんだけどね。スケート界の普段見慣れない背景、スケーターならではの苦悩や苦労がリアルで楽しかった。解説があの伊藤みどり選手。2022/07/08
utinopoti27
116
青春フィギアスケートの世界を描くシリーズ2巻目は、15歳になった主人公・竹中朱里に訪れる、スケート人生の転機がテーマ。試合中の骨折でシーズンを棒に振った朱里は、ようやく復帰するも、恐怖心からジャンプが飛べなくなってしまう。苦悩の末、彼女が下した決断とは・・。学業との両立、コーチとのすれ違い、親友の異変等々、苦悩しつつも必死で前を向く少女が健気でGOOD。何よりも、スケート王国名古屋出身の作者だけあって、競技への細かなこだわりがリアルでいいね。朱里の成長から目が離せなくなったところで、「飛翔編」へGO!2019/02/19
ひめありす@灯れ松明の火
48
ずっと探していたけれど、お店には無くて半ば諦めかけていた所を偶然に見つけました。諦めなければ結構どうにかなる物なのです。中学生になりますますスケートにのめり込んでいきたい朱里だけど、将来のことや体のことなど障害もたくさん。それでも自分のやりたい事に愚直で、時に明らかに暴走してしまう朱里はちょっと宥めたくもあり、とても眩しくて激しい物にも思えました。所で気になっているのが、朱里の一人称。真央ちゃんや美姫ちゃんも自分のことを名前呼びしている時があるけれど、フィギュアスケートの世界ではそれが当然なのでしょうか。2014/09/27
真理そら
41
伊藤みどりさんの解説。けが、進学問題、家庭の問題、経済的事情などフィギュアを続けるのは大変だ。それでもうまくなりたい!スケートが好き!という気持ちで頑張る姿は清々しい。利き足を逆にしても跳べる朱里の運動神経の凄さは盛り上がるはずなのに、スケート仲間(親友)の家庭の事情が悲惨すぎて主役を食ってしまったかも。2025/06/09
のびすけ
26
中学3年生になった朱里。試合中の骨折、恐怖心、成長期の体の変化でジャンプが跳べなくなってしまう。それを克服するための朱里の大胆な決断に驚かされる。別の高校に進学した親友彩音が抱えていた苦悩が辛い。思春期特有の悩みや、フィギュア界独特のコーチ事情がよく描かれている。ラストの中部ブロック大会の朱里の演技に感涙。伊藤みどりさんの解説も素晴らしい。2025/01/18
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