出版社内容情報
取扱注意!
変な死体×本格ミステリ
作家デビュー30周年記念作品
不謹慎だがガチ本格の死体ミステリ!
「本格・オブ・ザ・リビングデッド」
夏の山荘で起きた惨劇。殺人犯はゾンビ?
「三人の戸惑う犯人候補者たち」
「人を殺したかも」相談の内容は殺人で…
「それを情死と呼ぶべきか」
〈死者が生者を殺した〉密室心中の真相は?
「死体で遊ぶな大人たち」
なぜ腕だけ別人に“すげ替え”られたのか?
「死体を有効活用すれば、ここまで奇怪な状況をロジカルに成立させられるのか!
著者が示した4態(シタイ)に驚嘆!」――村上貴史氏(書評家)
内容説明
不謹慎だがガチ本格の死体ミステリ!
著者等紹介
倉知淳[クラチジュン]
1962年静岡県生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒業。94年『日曜の夜は出たくない』でデビュー。2001年『壺中の天国』で第1回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aquamarine
56
作家デビュー30周年記念作品。4つすべての話が仰向けの死体から始まり、おかしな状況が最後には綺麗なロジックで紐解かれる。有名某作品を彷彿とさせる一話目でもうとりこ。最終話が表題作だが、読み終わってみれば、どの話も死体で遊んでいるようなものだ。ラストに明かされるちょっとした仕掛けが、読者サービスっぽくてニヤリ。不謹慎だろうがなんだろうが、これは楽しい。こういうのが読みたかった、と思う倉知作品。とにかく好き。2024/09/22
さっちゃん
41
作家デビュー30周年記念作品は死体×本格ミステリ。『本格・オブ・ザ・リビングデッド』『三人の戸惑う犯人候補者たち』『それを情死と呼ぶべきか』『死体で遊ぶな大人たち』の4編収録。/買って良かった大満足の一冊。いきなりあの有名作『〇〇〇の〇〇』を思わせる設定にニヤリ。どの話も迷路を迷いなく突き進むようなロジカルな謎解きがお見事。不可解な事件なのに一瞬で読み手の霧が晴れるような解決が癖になる。死体の使い方がキモとなり不謹慎ながら上手いと思ってしまう。最終話の仕掛けも心憎い。夢中で読み耽る読書タイムは楽しかった!2024/09/25
pen
30
4篇からなる短編集。冒頭はいずれも「死体は○○のように倒れていた」で始まる。第1話はゾンビが出てくる。某人気作家の某ベストセラー作品のパクリというかオマージュと呼べるのか(笑)ちゃんと許可を頂いているらしい。このおふざけのような第1話にも本格のロジックが存在していることがさすがの倉知先生。4篇とも研ぎ澄まされた真実のロジックを堪能しました。最終話のちょっとした仕掛けも流石。 もう謎を一緒に解こうなんて根気の若さは残っていないので、ただただ結末を楽しむ(笑)「地雷グリコ」のような爽快感。2024/10/02
geshi
26
『本格・オブ・ザ・リビングデッド』倉知さん版『〇〇〇の〇〇』。典型的導入に伏線を忍ばせ解決場面で「そういえば」とゾクッとさせる。『三人の戸惑う犯人候補者たち』自分が犯人としか思えない場面の三連続は面白いけどこじつけのために色々と無理している印象。『それを情死と呼ぶべきか』無理心中に見える死体の死亡推定時間が違うって謎が魅力的。常識を足掛かりに可能性を潰していった先の異様な真相。『死体で遊ぶな大人たち』これまでやってきた奇妙な死体の謎パターンを目くらましに使う大胆さ。この飄々とした感じが良いなぁ。2024/09/09
おうつき
18
いかにも倉知作品らしいロジックの積み上げ方が魅力的な短編集。死体を活用して、不可解な状況を作り上げるという共通のテーマがあり、これが何ともたまらない。ゾンビに囲まれた状況での殺人という某ミステリを彷彿とさせる「本格・オブ・ザ・リビングデッド」は本家でやっていなかった手法が面白かった。「三人の戸惑う犯人候補者たち」はやや強引ながら殺人を犯してしまったかもしれない三人の男、という設定にこれ以上ないアンサーが用意されている。「それを情子と呼ぶべきか」も時間差心中という矛盾した状況をどのように成立させるか、2024/09/22