出版社内容情報
正義を疑え――警察内部の悪と戦う<監察>の奮闘。元新聞記者の気鋭が放つ、絶対リアル&驚愕ラストの警察ミステリー!
内容説明
大型特殊詐欺犯罪の捜査資料が流出し、資料に記された逃亡中の詐欺犯たちが次々と変死する事件が起きた。警察内部からの情報漏洩を疑う人事一課監察係の佐良は同僚の皆口菜子とともに、マルタイ(対象者)の刑事を行確するが、突如何者かに銃撃を受け…これは捜査妨害か脅迫か。組織内の熾烈な暗闘も見え隠れするが、本当の悪者はどこに潜んでいるのか!?
著者等紹介
伊兼源太郎[イガネゲンタロウ]
1978年東京都生まれ。上智大学法学部卒業。新聞社勤務などを経て、2013年に『見えざる網』で第33回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
192
シリーズ第2弾!ちょっと~、謎が増えるばかりじゃないのよ~!と私の心の声が伊兼作家に届かないかなぁ…もう続きが気になって仕方ない。「グッドラック」は榎本の言葉じゃないとは思っていたが、あの人なの?怖いわぁ。警察の中の警察・監察に身を置く佐良がこれから『互助会』という大きな謎に立ち向かうのだろうけど、既に真っ黒な模様を呈してるのが不安。皆口と須賀以外、皆怪しくてワクワクしちゃう。あぁ、早く次が読みたい。2021/06/29
しんたろー
180
監察ファイル第2弾は、特殊詐欺犯の資料が流出、その幹部たちが殺されてゆく…監察官・佐良&相棒・皆口が流出元を探ると、警察内に「互助会」なる組織があり、法で裁けないワルに私刑を施していると知る…展開は面白いし、上司、弁護士、情報屋など周囲のキャラも立っている。特に、主役を喰う魅力が皆口にあり、彼女主役で続編を書いて欲しいとさえ思った。伊兼さんは好きな作品が多いが、残念ながら読み辛い文章回しが、今いちファンが増えない理由だとも感じた。それでも社会派サスペンスを充分に楽しませてくれて、第3弾も是非お願いしたい♬2020/12/21
ケイ
129
皆が怪しい。裏があるのかと思ってしまう。誰なのだろうとドキドキしながらページをめくっていたら、最後にそれまでの葛藤を一気に潰すつぶやき。麻生幾氏の外事シリーズや佐々木譲氏の北海道警のシリーズが最近更新されなくてヤキモキしていたのだが、その間隙にドドんとはまりこんだ(わたし的に)伊兼氏の監察ファイル。シリーズ3冊を手元に置いて読み始めて本当に良かった。2023/05/16
パトラッシュ
100
人は必ず誤りを犯す不完全な生き物であり、人が作った法や制度はもっと不完全だ。その法執行機関である警察内部にいる者ほど、犯罪者を厳罰に処せない法の無力さを痛感してもおかしくない。こうした悪人を処刑する警察官の話は映画『ダーティーハリー2』など数あるが、歪んだ正義感が暴走する彼らとは逆に「正義感など役に立たない」と公言する監察係の佐良が対決する設定が迫力を生む。仲間や上司も信頼できない状況下で、事件の裏に何があるか自分の頭で考えて先を読む力だけを武器に組織も権力もある敵に立ち向かう刑事捜査の厳しさが胸を打つ。2021/03/09
タイ子
89
読み始めて気が付いた。前作があったんだと(あちゃっ!)でも、今作から読んでも違和感なく面白い!警察の内部を取り締まる監察官たち。大型特殊詐欺グループに関する捜査資料が警察内部の者によって流出した。監察官の佐良、皆口らが目をつけた刑事の行動確認をするうち、警察官が次々に殺される事件が発生。佐良の同僚までもが大けがを負う羽目になる。途中、導入される犯人らしき男の言葉が気持ち悪い;そして暴かれていく過去の事件との関連に事実が見えてくる。警察が守らなければいけない者、事は何だ?背筋が寒くなる。ラスト一行に唖然!2020/10/08