出版社内容情報
こころに沁みる江戸の味――幕末の動乱の時代、浅草・駒形に今も続く「駒形どぜう」を舞台に市井の人々の笑いと涙を描く時代長編!
こころに沁みる江戸の味――幕末の動乱の時代、浅草・駒形に今も続く「駒形どぜう」を舞台に市井の人々の笑いと涙を描く時代長編!
内容説明
浅草の老舗「駒形どぜう」を舞台に、幕末・明治の歴史の渦に翻弄されつつも、江戸っ子の意地と持ち前の明るさで店を守りぬく主人“助七”と、店に集う人びとの人生模様を描く。感涙必至の傑作歴史時代小説!
著者等紹介
河治和香[カワジワカ]
東京都葛飾区柴又生まれ。日本大学芸術学部卒業。日本映画監督協会に務めるかたわら、江戸風俗研究家の三谷一馬氏に師事して、江戸風俗を学ぶ。2003年『秋の金魚』で第2回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫綺
94
1801年(享和元年)創業の駒形どぜう「越後屋」の史実に即して描かれた物語。二百年以上経った今でも実在する店とは思わず、あとがきを読んでビックリ!!幕末から明治の初めの庶民の生活を面白おかしく描いている。何事も前向きな三代目助七がいい。2015/01/17
ぶち
80
老舗・「駒形どぜう」の三代目の物語。三代目・元七は、剣術と遊びにかまけて仕事はほったらかしの日々。しかし、時は黒船来航、大地震、ご一新へと激動の世。江戸っ子の意地と持ち前の明るさで店を守りぬこうと奮起する元七や従業員たち、店に集う人々の姿をとても楽しく読みました。どじょうの一鍋こんなにも多くのドラマがあったなんて… しっかりと味わいにお店を訪ねてみたくなりました。駒形どぜう以外にも実存の老舗や浅草の風物がたっぷりと盛り込まれているのも楽しかったです。銀座の鰻の老舗「竹葉亭」との繋がりにもビックリしました。2024/09/24
BlueBerry
53
有名な駒形どぜう(ドジョウ)での雰囲気を楽しむ系のお話ですね。色々と趣向があって飽きずに最後まで楽しく読む事が出来ました。江戸下町の人情も垣間見えて好印象。学生時代に一度食べに行ったことがある店なのでその点でも楽しめました♪序盤○中盤◎ラスト○。登録数がかなり少ないから敢えて軽くお勧めしておこうかな(笑。2014/04/19
わんこのしっぽ
33
実在する『駒形どぜう』を舞台にした話。今は老舗の名店ですが一膳飯屋から始まったんですね。粋で破天荒な元七、どっしり構えたご隠居、しっかり者のヒナ。周りの人達も負けず劣らず個性的。ペリー来航から明治初期の頃、激動期の時代を逞しく生き抜いた人達が魅力的でどんどん話に引き込まれます。大政奉還を江戸庶民の目線で描かれているのが新鮮でした。これを読んだからには行かないと。どぜう鍋が煮える迄は伏見のふり袖を飲み、煮えたらたっぷりネギを乗せ、お好みでなないろ(七味)を( *´艸`)お腹は空きますが清々しい読後感でした。2014/07/26
てん
17
すばらしい作品。全編を通してどぜう鍋の香りがただよう。粋でいなせな幕末”駒形どぜう屋”物語。何でも茶化して笑い飛ばし、「しょうがねぇや」と物事に固執しない”江戸っ子”の逞しさ、意地、気持ちよさが理解できた。実在の人物の登場で、世の喧騒や不安が感じられる。”まっことさん”こと以蔵と一緒に来た近眼の大男と言えば・・・。作者の生地と、初代助七の出身地の間に住んでいるので、いろんなことが身近に感じた。うちの実家では味噌汁を「おつけ」と呼ぶ謎が解けた気がする。 イメージキャスト 元七:東MAX ハツ:大久保佳代子2014/06/09
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