内容説明
仕事も恋も宙ぶらりん。ガケっぷちアラサー女子の自分探し。迷子の梓、特急「あずさ」に乗る―。
著者等紹介
坂井希久子[サカイキクコ]
1977年和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部日本語日本文学科卒業。2008年、「虫のいどころ」で第88回オール讀物新人賞受賞。現役SM女王様の作家デビューが話題に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
144
『ただいまが聞こえない』を読んで、すっかりファンになってしまった坂井さん作品です。『ヒーロー〜』もナイスな作品でしたが本作もかなり良かったです。タイトル通り?アラサー女性が仕事に恋愛に、迷いながらも自分を見つめ、新しい自分に1歩踏み出そうとする話です。旅先で出会った人びととのふれあいもアットホームな感じが素晴らしいです。素直になること、自分に正直に生きること、簡単なようでなかなかできないことと感じる‘迷子’のオトナは決して少なくないだろうなと。ふっとリラックスし、ほっと肩の力をぬけるステキな作品でした。2015/01/09
takaC
87
なかなか良いお話でした。読んで良かった。作風が多彩ですね、坂井さん。2014/09/13
あつひめ
79
世の中、不器用な生き方の人ばかりだから、時には傷ついたり、傷つけたり。だから、わかろうと努力したり、労わることを身につけたりできるのだと思う。器用な人ばかりじゃ、人間ぽくない気もするし。日常とは違う世界に迷い込んだような場所。そこでの出会いは、非日常で楽しいことばかりに思えるかも。実際にそこに根をはる覚悟を持って暮らし始めるところも読みたかったなぁ。ここで終わりなんて…迷子になった大人のこの先も読みたかったなぁ。人は、相手のため、自分のためを思って言葉足らずになることもあるんだよね。2015/07/08
アメフトファン
52
前向きですが傷つきやすい女の子が主人公。今まで行った事がない高遠という場所に強く惹かれました。アットホームな民宿が実在している事にびっくり。いつか行ってみたいです。ストーリー自体に目新しさはなかったですが、舞台が素晴らしかったです。2014/01/08
ゆみねこ
48
介護ヘルパーとして真剣に仕事に取り組み、恋愛中の彼もいるが、結婚に踏み切れない主人公梓。ある日ふと中央線の「あずさ」に飛び乗り諏訪湖のほとりへ。主人公の優柔不断さに読みながらイライラしたけれど、素敵な信州高遠の景色や人情は読んで気持ちが良かった。民宿「すやすや」、モデルになったお宿があるそうで、一度は行ってみたくなる。2013/06/12