内容説明
日本男子マラソンの長期低迷傾向に歯止めをかけるため新設された「東海道マラソン」。神奈川県知事の指令のもと、あらゆるお膳立てがなされたレースは終盤、思いがけない展開を見せる―困難と矛盾をはらんだ「世界最高記録」をめぐる男たちの人間ドラマと、疾走感100%のレース展開を圧倒的な筆力で描ききる、著者渾身の書き下ろし長編。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
258
さすが堂場さんのスポーツもの。安定感、最後まで漂っていて、一気読み。登場人物のキャラが立っているので、思わず手に汗握ってラストまで。描写が細かいなぁ、なんだかご自身がマラソンの経験でもあるかのよう。そして、ラストは?ラストはあれでいいの?うん、いいんでしょう。大きく風呂敷を広げっぱなしのラスト。堂場作品には珍しいのでは。でもまぁ結局、その辺は重要ではない、ってことなんでしょうね。第三弾の構想もあるそうなので、これは楽しみです。2014/09/22
みち
164
「チーム」では箱根駅伝がますます好きになった。「ヒート」ではマラソンの見方が大きく変わった。音無、甲本、山城の走ることへの情熱や信念みたいなものが伝わってきて、読んでいるほうもどんどんヒートアップしていった。少しだけ走っている者としては、山城のような無駄な動きなくキレイな走り方をしたいのだけど・・・。2015/11/21
文庫フリーク@灯れ松明の火
158
ペースメーカーとしての契約は30Km地点まで。離脱せず一人のランナーとして勝ちに行く甲本。浦のついた嘘を白状させるため、ぶち壊す予定だったレースを走り切ること決めた山城。『チーム』続編と聞いていたが別物の印象。傲岸不遜なランナー・山城の走りを描くだけでなく、レース運営の裏方やペースメーカーの存在描くことで、現代マラソンの問題点まで想起させられ予想外にタフ。神奈川県知事の意向で新設決まった《東海道マラソン》狙いは日本人選手に世界最高記録を出させること。選定された高速狙いのコースは全体の高低差、僅か5m→続2012/03/28
かずよ
131
箱根駅伝を舞台にしたチームの続編、今度はマラソン!前半山城が出る出ないでイライラしたけど、走り出したところで一気読み!山城って以外に単純で人間的!もう一人の主役の甲本もネガティブなのに応援したくなる!最後迄ハラハラドキドキで面白かったです!2013/05/30
takaC
128
うっ!ゴール50m直前で終わってしまうとは!都合よく想像しておきます。2012/06/10