Jノベル・コレクション
演じられた白い夜

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  • サイズ B6判/ページ数 209p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784408535364
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

小劇場界の著名女優・神内麻子は、劇団主宰者で演出家でもある夫の匠に呼ばれ、雪深い山荘へやって来た。匠の主導で山荘には女優、男優、舞台監督が集められていたが、彼ら八人は互いに初対面であった。匠の新作は本格推理劇で、演じる側にも犯人がわからないよう稽古を進める趣向だという。ネット掲示板のオフ会を題材にした台本が進行するにつれ、麻子の周囲に疑心が兆し、それは恐るべき事件の形を取って現れた。作中劇の中に隠された真相とは―。

著者等紹介

近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒。1993年に鮎川哲也賞を受賞してデビュー。本格推理のみならず、人間に潜む意外な心理をテーマにしたミステリー、歌舞伎や江戸物の謎解きなど幅広い作風で知られる。2007年刊『サクリファイス』(新潮社)が話題となり、同作で2008年の大薮春彦賞並びに本屋大賞第二位を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NADIA

35
大物演出家に集められた役者たちの吹雪の山荘と、その役者たちの演じる孤島モノミステリ劇の二重に進行するクローズドサークルストーリー。面白い進め方だが、肝心のストーリー内容がイマイチだった。この作者の作品にしては残念な読後感。2018/07/28

キムチ27

34
奥付けを見たら近藤さん、20歳代最後の作品かも。申し訳ないけれど、初期作品でしょうね。少女漫画のような展開。演出家 神内匠は契約関係の麻子と共に舞台稽古と称して別荘に8人を集める。役者の卵らはそれぞれが初対面。ストーリーと脚本が交互に展開していき、殺人事件が相次いで起こる。なんといっても麻子の「縛られている」という関係があまりにも曖昧。彼女の呟くモノローグに温度を感じない。登場人物何れも掘り下げが余りなく、何これ?・・無論共感も持てないまま、ジ・エンド。殺人に至った経緯に至っては、書き込みが不十分なまま。2015/07/03

pulpo8

31
あれ…評判が悪い…?私は文句なく面白かった。近藤さんは本当に読みやすい。それでいて軽くはない所も魅力的。演劇と実際の事件が並行して描かれる、雪の山荘物。既視感ある設定だけど、恩田陸的な演劇口調も相まって、こういう雰囲気好きなんです!とうっとり。伏線のさりげない仕込み方も素敵で、思ったよりストレートに本格ミステリしていた。心理描写も想像の余地がある最適な量で、抵抗なく引きずらず、胸にじんとくる感じ。水上良い。女性の役者の区別がつかなくて何度かページを戻ったけど(笑)。コンパクトで面白いミステリーという印象。2016/12/02

Penguin

28
【図書館】脚本に擬えて事件が進んでいく。 脚本がどのように進み、事件がどうなるのか興味深く読み進めた。前半かなり引き込まれたが、後半犯人が明らかになると動機などがちょっぴり曖昧な感じがしてしまった… 2012/05/21

kei@名古屋

28
近藤史恵作品二十冊目。凍える島を彷彿とさせる陸の孤島での出来事。そして作中劇は文字通り海に浮かぶ孤島での出来事。愛憎劇。初期作品らしいさびしい男女ばかり集まるそんな作品でした。トリックなどはあれですが心理描写が近藤作品らしい感じでしょうかね。さてコメント日記を書きますか。2010/09/18

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