内容説明
ほんのひととき、愛を確かめあう男と女。安西水丸が描く切なくもエロティックな恋愛小説集。
著者等紹介
安西水丸[アンザイミズマル]
1942年7月東京生まれ。日本大学芸術学部卒業。電通、ADAC(NYのデザインスタジオ)、平凡社でADをつとめた後、フリーのイラストレーターとなる。独特の味わい深い作風で人気を集め、エッセイスト、作家としても活躍する。朝日広告賞、毎日広告賞、1987年日本グラフィック展年間作家優秀賞等を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
23
作品もさることながら、あとがきが気になった。破滅に陥った女たち。この本には様々な理由で身を持ち崩していく女たちが登場する。でも全員が不幸なのだろうか?もしかしたら愛する人の為…と他人から見たら不幸かもしれないことが本人には幸せであるかもしれない。愛する人の借金、親の入院費…等々。自分の蒔いた種ではないことで風俗に入る人の方が多いかもしれない。よく手に取る本とは違った空間が広がる。知らない男と関係するときの心理。これはどう転んでもはかり知ることはできない。そんな世界もあることを知ってほしいと思わせる作品。2011/05/09
アコ
9
「村上朝日堂」シリーズなどのイラストでその存在を知って好きになった安西水丸さん。...が小説を書いていた!?という驚きと共に読んだ。その内容にさらにびっくり。エッセイはいくつか既読で実際にお会いしたこともあるからこそ、なにこのおっさんによるエロス満載の物語たち!と。(あえておっさんと言わせていただく。)9篇すべてどこか似たシチュエーションで「えっ、またこういう流れ?」とおもったのは否めない。水丸ファンだからか脳内で映像化する際にあのイラストになったのはあるけれど、少し残念。2013/11/30
Aki
2
どの短編も、哀しい女性を描いている。家庭に恵まれなかったり、恋人の借金を返済するために風俗で働いたり。どの女性もかなり追い込まれてて、絶望的な状況だったりするんだけど、どこか美しく、新たな出会いがあったり、あきらめというか覚悟というか、ある意味で強かったり、人はどんな状況でも生き直すことができるのかなぁと思った。第一話の「ソファ」は、男と女の情事の象徴ぽかった、地下室にぽつんと置かれたソファに、最後に刑事やってきて座るシーンなんて、すうっと現実に引き戻される感じがして上手いなぁ!と思った。2013/04/27
ohchan-smile
1
風俗を取材されただけあって、かなりエロチックではありましたが、文章が上手です。いやらしく感じないで読みました。物語ではありますが、自分が知らないだけで、実際にある話達なのでは?と思いました。2014/03/14
作り笑いが下手すぎる
1
思った直接的な性描写が多く、女性たちはあまりにも曝け出していてしがみついていて私には現実味のないように感じられました。 あと余談ですが、タイトル見て「スキマスイッチの『アカツキの詩』といいポルノグラフィティの『サボテン』といいサボテンは恋愛に縁があるのか」と 思いました。2012/08/20