内容説明
山の神々、森の精霊、海の荒魂。不思議と驚異に満ちた自然と動物たちの物語。少年少女の日々を思い出させてくれるアウトドア冒険小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つちのこ
2
自然や動物を扱った短編集。特に『山の焚き火』と題する短編はなかなか。しんと静まりかえった山で至福の焚き火を楽しんでいる人がうっとりと読むことが出来る珠玉の作品である。 表題作の『野生の記憶』もいい。粋で素敵なフレーズがちりばめられている。例えば、 ―黄昏の蒼然とした空に、星がひとつ瞬いていた。雪道のはずれに家並みの灯りが見え、闇の中で光る獣の目のようだった― …こうした文章を読むと、ちょっと得した気持ちになるね。 思わず手帳にメモしてしまった。（2000.11記）2000/11/08
