出版社内容情報
浅見光彦の元に突然、初恋の女性から姫鏡台が届く。そして彼女の死の知らせが…。鏡にまつわる三編を収めた傑作推理小説集!
内容説明
浅見光彦のもとに奇妙な宅配便が届いた。ダンボール箱の中身は姫鏡台。送り主は浅見の淡い初恋の相手・夏子だった。戸惑いを覚えつつ、彼女が嫁いだ田園調布の豪邸を訪ねると葬式の最中。亡くなったのは夏子当人だという。浅見は姫鏡台の裏に、かつて二人で決めた秘密の暗号文字を見つける。解読すると「HELP(助けて)」という言葉が現れた。夏子は浅見に何を伝えたかったのか!?(「鏡の女」)。「鏡」にまつわる三つの事件と、名探偵の活躍を収めた中編ミステリー集。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
コピーライター、CM制作会社社長を経て、1980年『死者の木霊』でデビュー。2007年、第11回日本ミステリー文学大賞を受賞。2016年4月、軽井沢に「浅見光彦記念館」がオープンした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まり
8
図書館本。初めて浅見光彦シリーズで短編を読んだ。サクサクと読めたけど、しっかり面白かった。読み応えもバッチリだった。ただ犯人が捕まるだけじゃないって言うのも面白かった。2022/05/08
まさのり
5
浅見光彦シリーズでは希少な短編集。表題作「鏡の女」はホラー感もあり新鮮でした。作者ご本人も後書きで書かれていますが、このシリーズはやっぱり長編ですね。2024/02/20
コマンドー者
0
内田氏自ら苦手と語る浅見光彦の短編集で3編収録。全て鏡をモチーフにしており、合理的解決がされないエピソードや、お風呂で消える凶器ネタ一本の推理クイズみたいなものもあり、浅見光彦の小話集みたいな感じである。2022/01/10
ナタニエル・ブシッチオ
0
浅見光彦シリーズの中でも異色の作品だと感じた。短編3部作だとは、読むまで知らず今回はどのように謎解きするのかと楽しみにしていたが、タイトルにもなった "鏡の女" は事件を解決することなく終結したこともあり衝撃的だった。浅見光彦が解決しなかっただけでなく、自殺した浅見の同級生の恨みの深さと犯行への手の込み方は最後に明かされ圧巻だった。事件を解決するという手順より、犯人側の視点で事件を追った点も斬新だった。2021/03/28