内容説明
オペレータールームに配属された梶本大介。その社内では寄妙な事件が発生する。書類紛失、保険外交員墜死、マルチ商法勧誘社員の台頭、派遣女性社員の突然の昏倒、ロッカールームの泥棒、切り裂かれた部長のぬいぐるみ、黒い液体で汚されたトイレ。オフィスを騒がす様々な“日常の謎”を女性清掃作業員のキリコがたちまちクリーンにする本格ミステリー。
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒。1993年『凍える島』(創元推理文庫)で第4回鮎川哲也賞を受賞しデビュー
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感想・レビュー
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あつひめ
133
テレビドラマで面白かったので借りてみた。ドラマ同様物語のテンポの良さにひかれた。清掃業務制服よりもキャピキャピした服がが似合うキリコ。この物語で、ほんと人は外見じゃないってことをリアルに指摘してくれている。我が家の母も掃除婦をしていたことがある。掃除はそこだけを磨くのではないとよく言っていた。今は同居人も清掃業務。ガラスの曇りは心の曇りと日々自宅の掃除にも励んでいる。会社内での謎解きも済んだ心で見つめるとスッキリとけてしまうのかも。キリコと大介。二人の未来に興味津々。2013/06/26
優花 🍯モグモグ
123
毎日、オフィスビルを一人で掃除をしているキリコ。掃除の天才。そして頭の回転も良い。読んでいて気持ちよくサクサク読めました。2016/10/09
ままこ
94
ポップでキュートな敏腕清掃作業員のキリコが掃除を通じて社内で起こった謎を解く連作短編ミステリ。軽快なテンポでありながら人間関係のドロドロとした部分も含まれている。解決したかに見えてその奥にまた何か隠されている。大介との関係も気になってたけど…。惑わされたラスト。面白かった。シリーズ積んでるのでぼちぼち読んでいこう。2018/12/24
財布にジャック
73
近藤さんの作品はサクリファイスやエデンしか読んだことがないので、とっても新鮮でした。清掃員はオバサンというイメージを覆して可愛いキリコちゃんがお掃除する姿に好感が持てます。オフィスのどろどろとした短編なのかと思いきや、最後の2話は急展開でちょっと着いていくのが大変だったけれども、かなりイメージが違ってじんわりとした良い話でした。いつも手抜きばかりな私に、お掃除は大事だよと再確認させてくれて・・・キリコちゃんありがとう!2010/09/07
美登利
62
大きな会社の清掃員さんは、茶髪肌黒いそこらへんにいそうな派手目の少女、掃除にかけては天才的(く~その才能くれ!)、新入社員の大介と組み、社内の色々なトラブルを解決していきます。まだキリコちゃんが、何者かもわかりません。ただ、最後だけは分かる部分が出てきます。ミステリー要素は少なめのサラッと読める短編連作集です。シリーズものらしいので、次が楽しみです。キリコちゃん、派遣に家に来てほしいわ~2014/09/10