内容説明
「かたちはこころ」。ホンダの定年退職を機に多摩美術大学で後進指導にあたった10年間。
目次
第1章 学生は「商品」である
第2章 変革の炎は小さな火種から
第3章 場づくりを外に広げる
第4章 入口と出口、そして屋内
第5章 世界に舞台を移して
第6章 教育は「共育」なり
著者等紹介
岩倉信弥[イワクラシンヤ]
多摩美術大学名誉教授。本田技研工業株式会社社友。経営学博士(デザインマネジメント)。1939年和歌山県生まれ。64年多摩美術大学美術学部図案科卒業後、本田技研工業株式会社に入社。本田宗一郎の薫陶を受け、ホンダ車のデザインの担い手となる。本田技術研究所専務取締役、本田技研工業常務取締役(商品担当)などを歴任。2001年多摩美術大学教授・生産デザイン学科プロダクトデザイン科科長、2006年理事就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かりん
2
5:ホンダつながりで積読本を。経営、デザイン、教育をつなぐということで「御意!」の嵐。■educate→educe。かたちはこころ。企業と私立大は、国立大と私立大よりもはるかに近い。大学の商品=学生。その購入者たちは、本当にあなたが企画段階で『こういう人に買ってもらいたい』と狙ったお客さんですか? MAYA=受け入れられる最も進んだ状態。このくらい思いきってやらないと世の中は変わりませんし、このくらいやったところでホンダの真面目さも変わりませんよ。世の中の形は○△□の三つ。お母さんのおにぎり。2010/09/20
だいん
2
企業から教育へ転身されても、論理的に計画し、着実に実行し、そして大きな成果を出す、筆者のスタイルに感銘を受けた。学生を製品と捕らえて目標を明確にするところは、特に筆者ならではのすごいところだと思った。2010/06/22
げん
0
ホンダで数々のヒット車をデザインした人の言葉は、シンプルだが力がある。「学生は「商品」である」という一見刺激的な言葉が、最後には教員、学生を一つの方向へまとめ、少子化時代に学生の定員倍増にまでつながった。 学科の理念として定めた「独創と先進」の解説も興味深い。独創は、真似を通して身につけられる。真似を繰り返すうちに、「なぜ、こうなのか?どうして、こうするのか?」という疑問が湧き、やがて自然物や作者の心に入っていく。先進は、進みすぎず、遅れず、「半歩先」。シンプルだが新鮮な考えに出会うことができてよかった。2012/03/02