内容説明
本書は、映画『タイタニック』の背景にある時代や人物を鮮やかに浮き彫りにしている。
目次
誕生
出港日
処女航海
１０秒
伝わらない危機感
別離と永遠の別れ
必死の脱出
船が沈んだ！
孤独な海
八発の白い信号弾〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジョゼ★ネコを愛する絵描き（趣味）
26
【図書館本】タイタニック号の出港日4月10日は私の誕生日で、何か惹かれるところがあり読み始めました。 エドワード七世時代の時代背景がとても分かりやすく、勉強になりました。 多くの死者が職務を全うし、また紳士であり続けたところには胸をうたれます。 タイタニックの映画は大好きですが、その中では伝えられていないような事柄もたくさんあってとても興味深かったです。 ノンフィクション本なのに映画を観ているかのような臨場感でした。 まるで信じ難い、こんな悲劇が本当にあっただなんて…。2021/02/04
Cinejazz
7
不沈船と信じられていたタイタニック号が、処女航海において氷山に激突し敢え無く沈没した大惨事を、ドキュメンタリー映画を観るような臨場感あふれる文体で詳細に綴った迫真のノンフィクション大作です。タイタニック号のスミス船長以下の乗組員と、運命を共にせざるを得なかった1等から3等までの乗船客の必死の様相が事細かく浮き彫りにされており、何故ここに至るまで手をこまねいていたのか、幾度となく反芻しながら読み耽りました。すべての「もし･･」が積み重なったとは言え、人間の傲慢さが悲劇を招いたと諌めています。2020/08/15
Jirgambi
4
いつか起こり得る海難事故が、偶然にも、しかもよりにも寄って1912年というエドワード朝の名残ある時代に、「豪華絢爛」「巨大客船」「処女航海」いうインパクトある属性を纏ったタイタニック号に起きてしまった。 沈没してからの事故調査等々、沈没後の事後談が切ないね。船長と比較したら卑近で申し訳ないけど、自分も数ヶ月前に、仕事でミスって大勢の人を怒らせ、事後処理の指示を下せず茫然自失状態になった。ましてやスミス船長の衝撃は生半可で無い筈だ。人間、責任には強くない。一種の希死念慮がよぎってブリッジに残ったものと思う。2021/06/11
ラガードー
1
1997年の映画公開直後に出版されたものは「謎」とか「解明」とか「陰謀説」だとか煽り立てるようなものが多いが、淡々と事実のみを列挙する本著は落ち着いて読める。また事実の典拠も併せて示されている点は嬉しい。本著出版後に明らかとなった事実により古い記述となってしまった項目もあるため、新たな事実を知るというよりも、既存の説の裏づけをまとめた書と位置づけると良いだろう。2018/02/16
慧
1
★1/22008/05/04
