内容説明
孔子の弟子でありながら性悪性をとなえた荀子に師事、戦国時代の弱小国韓にあって祖国が滅びゆくのを見据えた韓非子。組織を保持するための徹底した方策を探求し、始皇帝となる泰の政に嘱望され、信賞必罰による法治主義の国家を理想とする思想を説いた。始皇帝の側近にそねまれ、毒を献じられて獄死するが、冷徹なる人間観察眼で社会をとらえた『韓非子』は、三国時代の蜀の参謀・諸葛孔明が劉備の後継となる幼帝劉禅の座右の書とさせたことで知られる中国思想の最重要古典。日本人の先達たちは韓非の思想をどう受容し、自らのものとしていかに活用してきたのか。いまも変わらぬ中国人のものの考えを理解し、シビアな現実思考に対抗するために必読の書である。
目次
第1章 法治主義の源流
第2章 組織論に韓非子を生かす
第3章 賢者の在り方を学ぶ
第4章 “違い”がわかる男とは!?
第5章 行ないを律する者は常に“われわれ”なり
第6章 部下を育て、部下を使う
第7章 滅びの臭いを嗅ぎとれ
著者等紹介
童門冬二[ドウモンフユジ]
1927年東京都生まれ。東京都職員として知事秘書、広報室長、企画調整局長、政策室長を歴任後、54年に退職。本格的に作家活動に入る。歴史上の人物や事件を題材に、組織と人間の関わりを描く小説、評論を数多く執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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