内容説明
東京都の人口は、約1318万(2011年5月現在)。人口の多い都市は他にもあるが、経済や文化という側面から見て、東京はニューヨークやロンドンと並ぶ、世界的大都市である。ではなぜ、極東の島国である日本の首都・東京がここまで発展したのだろうか?それは徳川家康の江戸入府以降から脈々と続く、日本人による街づくりの知恵にあった。東京という街の発展の歴史と、現在の東京を形成している、象徴としてのランドマークを紹介する。
目次
序章 都市を形成する象徴物―ランドマークから見た都市論
第1章 大江戸八百八町は世界一の大都市だった
第2章 文明開化の鎚音高く建設された帝都・東京
第3章 震災の悪夢から立ち直った復興都市
第4章 敗戦後の高度成長から近代的な都市へ
終章 世界が注目する近代都市・TOKYO
著者等紹介
津川康雄[ツガワヤスオ]
1953年、東京都生まれ。立命館大学大学院地理学専攻博士後期課程単位取得、博士(文学)。1996年、高崎経済大学地域政策学部専任講師、99年同大学助教授を経て現在、同大学地域政策学部教授。専門は人文地理学(都市地理学、ランドマーク研究)。都市システムを把握するために、地理学的方法論や中心地理論的手法を用いて研究を行なう。景観研究の一環として、人間の空間認識を支えるランドマークに注目し、各種ランドマークの要件整理とフィールド・ワークを行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えりすこ
4
内容自体は興味深かったが、文章を補完する図がわかりにくくてその点がイマイチ。2016/04/20
Mitz
1
自分が住んだり働いている土地の歴史を知れば、それだけ人生が豊かになると思う。そこに暮らした人々や町の佇まいに思いを馳せ、またちょっとした地名や地形に当時を連想するものを見つけ細やかな喜びを得る。そして激しい変化の傍らに、実は意外と“変わってないもの”が存在することを知る…。東京という土地が持つエネルギーや、そこに生きた人々の知恵の集積を感じられる本であった。2011/08/21
CJ
0
特に目新しい記述や驚くような内容はないですが、江戸時代から明治維新、関東大震災、敗戦、復興を経て現在の姿へと変化していく様子がコンパクトにまとめられていて、東京のこれまでの歴史を改めて振り返るには悪くない一冊でした。2012/06/09
Sing
0
徳川家康の江戸の街づくりから文明開化、関東大震災、太平洋戦争、高度経済成長期を経て現在の東京へ。先人たちの知恵と情熱が、極東の島国の一都市をどうやって世界の大都市TOKYOにまで成長させたのか。例えば、戦後の区の整理で『大森区』と『蒲田区』の合併に際し命名でもめ最終的に一文字ずつ取って『大田区』になった、などのトリビアを織り交ぜながら、時代時代のランドマークを歴史に沿って解説していく。東京を歩いていると『ごちゃごちゃしてるなぁ』と思うことも多かったが、そこに歴史を意識するととても愛おしく思えてくる。2012/01/28
ミルフィーユ
0
江戸〜東京の発展の街づくり、というよりも、ランドマーク案内の本。風呂敷広げすぎて浅かった。2011/10/10