内容説明
好きで好きでたまらない音楽を通して語る、愛憎半ばするヨーロッパ諸都市の比較文化論、そして人生…。若林正人の実体験エッセイ。
目次
第1章 ヨーロッパの街とおと
第2章 わが人生とクラシック
第3章 ヨーロッパと音楽雑感
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田山河雄
3
何十年ぶりかで読んだ。平成5年(1993)の初版である。その頃読んだのかと思う。考えてみれば大変な月日が経ったものだとため息も出てしまう。一度だけプラハとブタペストそれにウイーンに観光旅行で行ってみた。3~4年前の事である。勿論本書を読んだことなど皆忘れて、寒い一月の小雪がチラつく明け方六時前ひとりで散歩した。夜の街灯がまだ赤々と燃えているのに多くの人が黙々と路面電車で通勤していた。何と勤勉なのかと驚いたことを覚えている。階層社会の写しなのだろうか、本書の紡ぐ華やぐメロディーなど勿論聞こえなかった。2021/02/05