出版社内容情報
所要日数は、コストは、その規模は?謎と不思議の多い参勤交代の仕組みやこぼれ話を紹介。様々な街道の特徴も分かる。
内容説明
総勢4000人からなる加賀藩前田家。いくつかのバリエーションがあった仙台藩伊達家。海路と陸路で遠路はるばるの薩摩藩島津家。長い歴史がありながら、さまざまな藩による参勤交代の実態は意外に知られていない。基本的な作法にローカルルール、リッチな藩と貧乏な藩の規模や流儀の違いなど、参勤交代と大名行列にまつわるうんちくをもとに、江戸期の各藩のお家の事情もひも解く。さらに参勤交代の舞台となった五街道や脇往還の、知られざる用途と素性にも肉迫。「超高速!」だけではない、参勤交代の新・珍事実とは…?
目次
1 参勤交代の姿
2 宿場と参勤交代
3 参勤交代で使われた街道
4 参勤交代にまつわるおもしろ話
5 参勤交代と五街道
6 脇街道と参勤交代
7 街道と歴史事件に迫る
著者等紹介
山本博文[ヤマモトヒロフミ]
歴史学者(日本近世史)。1957年岡山県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大学院人文科学研究科修士課程修了。文学博士。東京大学史料編纂所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yamatoshiuruhashi
33
参勤交代についてのトリビアの泉。雑談調にまとめられているが中々深い。それぞれの街道について、成り立ちから歴史的意義まで簡潔に解り易く要所を抑えて書かれているので、飽きることなくまた電車の空き時間で読むことができた。昆布と砂糖を運んだ航路が江戸幕府を倒すことにつながる話や鎌倉あるいはそれ以前の時代の道についても書かれている。しかし、何といっても「大名行列」の雑学が一番。「超高速参勤交代」に度々言及されるがまた観たくなった。2019/05/05
再び読書
22
参勤交代の目的が、大名の財政負担による弱体化と思っていたところ、最近息子にそれは間違いで、緊急時の守備の為と言われ、確認出来た。また、その始まりは鎌倉時代からで足利義満も実施している事がわかり、興味深かった。参勤交代で使われた色々な街道も知ることが出来、地理的に面白く読めた。また、まだこの時代でも回路は陸路よりリスクが高いのがわかる。加賀藩が隠した五箇山から金沢の塩硝彦根道が将軍以外通行禁止なのも、初めて知った。薩摩藩が琉球王国を通して昆布輸出をしていたので、沖縄県民が一番昆布を食べる理由がわかった。2023/03/03
きいろいとり部長
9
参勤交代の歴史、ルール、様々な街道の紹介。歴史上の人物のエピソードも多数。千曲川は昔から増水してたことや多岐にわたる情報がいっぱい。読後は映画「超高速 参勤交代」を見ることにする。2021/05/15
雲雀丘 正雀
5
超高速参勤交代という映画(佐々木蔵之介主演)が大ヒットしましたが、そもそも参勤交代とはなんぞやという事を解決してくれる1冊です。まぁ地方の大名には参勤交代ほどお金と人員と時間がかかる事がどれだけ負担を掛けていたのかもわかります。見ていて雑学程度に読みました。2019/03/19
ひまつぶ市民。
4
前半は参勤交代、後半は全国の街道について述べられている。どちらかといてば、街道の話がメインなように思われる。どうも、著者の意図とは違うタイトルをつけられてしまったのではないかと、感じたのだが。2017/02/26