内容説明
高齢期は人生の燃え残りや付け足しではない。人間らしい老後の生き方を問いかける長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Fumoh
1
介護師である主人公がいろいろなお年寄りたちと接していく物語なんですけど、徹底的に物語の浮き沈みに欠けているんですね。この例えが適切かどうかは分からないんですけど、NHKのニュース番組の「いまの介護現場の特集」みたいな感じの空気感で全編通していってます。ああいう特集って、介護の現場の実態は分かっても、個人の情緒の広がりとかって完全に排除するじゃないですか。番組側が求めるモデル演者の型があって、そこに収まるように作るというか……まさしくこの物語はそんな感じです。なんか変だな、と思って出版社のことを調べたら、2024/04/02
まき
1
認知症の母の介護をしながら、自分はこうなる前にうまく死にたい、なんて思ってしまったり、特養の施設見学に行ってとてつもない罪悪感に襲われたり、とても不安定な中でこの本に出会った。弥生さんの仕事を超えた利用者さんとの交わりを通じて、何度も胸が詰まってハラハラ涙が流れた。認知症はロンググッドバイ、、、本当にそう、沁みる。一緒に生活は出来なくても、一緒にいる時は母にたくさん触れて、話をしようと思った。長く生きたことを誇れる、老後をご褒美期間だと思える社会になって欲しい。2023/07/16