内容説明
ユダヤ人救出のため、命令に背き命のビザを発行した日本の外交官を、体験者の証言で紹介する『生命をみつめる杉原領事とレーロチカのパン』。友の身代りに処刑され、「アウシュビッツの聖人」と呼ばれる神父の物語『コルベ神父―優しさと強さと』。ナチスの狂気の戦争に抗う2作品を収録。
目次
生命をみつめる 杉原領事とレーロチカのパン(プロローグ;鎌倉に杉原夫人を訪ねる;ビリニュスに着いた;カウナスの収容所にて;私は二〇歳の女子学生だった;旧レニングラード(サンクトペテルブルグ)の悲劇の少女
レーロチカの形見のパン)
コルベ神父―優しさと強さと(コルベ神父1;コルベ神父2;コルベ神父3;コルベ神父4;エピローグ 一九八二年夏、長崎にて)
著者等紹介
早乙女勝元[サオトメカツモト]
1932年東京生まれ。作家、東京大空襲・戦災資料センター名誉館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
100
若い世代に、杉原千畝さんの偉業、レニングラード攻防戦の悲惨、コルベ神父の生き様を知らせようと書かれている。著者は、カウナス、レニングラード、アウシュビッツ、長崎を訪問し、現地での思いを切々と綴っている。コルベ神父の収容所での最期が、会話文を創作して表現されているが、それでも「なぜ身代わりに?」という究極の問いに答えは見つからない。「優の字は人偏に憂う。人を憂う気持ちこそが優しさ」「コルベ神父は、人が優しくあるためには、いささかの強さが勇気が必要なのだと、その生涯をかけて静かに物語っている」と結ばれている。2021/09/14
読生
2
https://booklog.jp/users/toutoyo/archives/1/44060659382022/07/28
林芳
0
わかりやすく書かれています。そして「私も知らないことを学びたい。みんなで学び考えましょう。」というスタンスで書かれています。2023/05/20
神谷孝信
0
大変興味のある杉原千畝氏にまつわる話しや、アウシュビッツでのコルベ神父の行為等、感慨深い内容であった。32021/08/01