内容説明
戦前期には特高課長として人びとを弾圧し、戦後期には国会議員として「建国記念の日」の旗振り役を担った纐纈弥三を克明に追うことで、戦前戦後を通観する。
目次
はじめに 戦争と弾圧は表裏一体ではないか
1 出生地と自分史を語る―国体思想の淵源
2 日本共産党弾圧を指揮する―三・一五事件の真相
3 戦争を内側から支える―官僚の戦争責任
4 紀元節復活に奔走する―新たな戦前の開始
おわりに 平和と民主主義を実現していくために
著者等紹介
纐纈厚[コウケツアツシ]
1951年岐阜県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、明治大学特任教授(研究・知財戦略機構)、国際武器移転史研究所客員研究員。山口大学名誉教授。政治学博士、日本近現代史、現代政治論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くらーく
1
最初と最後だけ。治安維持法絡みだけど、確かTVのドキュメンタリーでうまくまとまっていたのがあったような。本書はこうけつ氏の戦前から戦後の軌跡を描くもので、特高課長が戦後は議員となって紀元節復帰に励むってところ。まあ、2月11日が祝日で休みなのはありがたいねえ。背景は今となってはどうでも良いかな。 本当にどうして第二次世界大戦に参戦しちまったのかねえ。その前のシナとの事変がねえ。係わっちゃいけないと諭吉先生がおっしゃっていたのに。2021/03/05
kuronyann
0
明治国家について本書90,91頁では「そもそも明治国家は・・・政変(クーデター)として成立した。民衆に支持基盤も正当性も持たない」とし「民衆に支持基盤を置かないところから、勢い権力の絶対化を目指した」そのうさん臭い素性から民衆の弾圧体制が整備されたとある。太平洋戦争の愚かさを明治国家賛美の立場からは解明できない。戦後、元特高たちが「新たな戦前」目指し保守政治の中枢部分に食い込んだのが日本の不幸。朝日新聞5月22日「天声人語」では戦後特高関係者が入管の仕事に関わったとある。柳瀬精の「告発」を読みたくなった。2021/05/24
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