出版社内容情報
近代日本軍の特徴をソフト(軍事思想・戦略)・システム(軍事制度・法体系)・ハード(兵器体系)の面から日本戦史の第一人者が解明膨張主義的な国家戦略の下で「自己増殖」の道を暴走した近代の日本軍。その特徴である歩兵中心・白兵主義思想、大艦巨砲・艦隊決戦主義、官僚制的なセクショナリズムなどを、ソフト(軍事思想・戦略)・システム(軍事制度・法体系)・ハード(兵器体系)から分析した好著。具体的な戦闘事例として日中戦争・特攻作戦・沖縄戦の「日本式戦法」を究明する。
山田朗[ヤマダアキラ]
著・文・その他
内容説明
歴史は、国民のチェックと国会のコントロールの大切さを教えている。
目次
第1部 軍備拡張はどのように進展したのか(軍備拡張競争の実態:建艦競争を中心に;近代日本における軍事力編成)
第2部 軍備拡張の帰結としての戦争(近代日本の戦争を支えたソフト・システム・ハード;第二次世界大戦における日本の敗因)
第3部 戦争の特徴が凝縮されたものとしての戦闘(兵士たちの日中戦争;日本軍の航空特攻作戦の特徴;沖縄戦の軍事史的位置)
著者等紹介
山田朗[ヤマダアキラ]
1956年、大阪府生まれ。明治大学文学部教授、歴史教育者協議会委員長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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樋口佳之
21
F35の大量配備とか空母の導入とかが報道されている中で読みましたので、軍備拡張競争の実態の章が印象に残りました。兵器技術の革新による〈戦わざる戦争〉。2018/12/07
みなみ
10
第二次世界大戦に至る日本の戦争を扱ったシリーズの2冊目。日本軍の戦略思想とそれに基づく装備の在り方、実際に日中戦争や太平洋戦争でどのような戦いだったかなど、概略的にまとめられている。日中戦争でも軍馬で物資を運んでいたので隊列が伸びて狙われやすくなったり、自動車で移動できないから兵士が戦場に移動するまでにクタクタになってしまうという話が出てきて、あまりのショボさにクラクラする。特攻の章では自軍の兵士を何機死なせれば敵機を損傷させられるか計算されていたことを知った。非人道的すぎる…2021/07/14