内容説明
思い当たるフシも?あるカウンセリングの記録も収録。
目次
第1部 がんばり屋さんを生み出す社会(一人ひとりの「物語」の共有で連帯と共同の改革を;「みんながんばって活躍しよう」という風潮;「がんばる」を考える;心理臨床家のする仕事―「がんばり屋さん」と向き合って)
第2部 「がんばり屋さん」とのカウンセリング(自分のこと、両親のこと―カウンセリング前編;「能力と評価の世界」と「関係と愛の世界」―幕間として;行きつ戻りつしながら卒業へ―カウンセリング後編;カウンセリングを終えて―Gさんとの交流から危惧すること)
著者等紹介
高垣忠一郎[タカガキチュウイチロウ]
心理臨床家。1944年高知県生まれ。1968年京都大学教育学部卒。専攻は臨床心理学。京都大学助手、大阪電気通信大学教授、立命館大学大学院教授などを歴任(2014年3月退職)。登校拒否・不登校問題全国連絡会世話人代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
25
心理臨床家の高垣忠一郎さん、大学教授を経て70歳を過ぎた今も、カウンセラーとして活動を続けてくださっている。第1部「がんばり屋さんを生み出す社会」は、現代社会が「がんばること」に満ち満ちている状況や、がんばることを「監視し合う社会」に皆が疲弊している現状を指摘していて、なるほど!と思った。まさに、その通りだ。本のタイトルがとてもやさしい印象をもつのに対して、内容はかなり鋭く、頑張ることに疲れ切っている真面目な人(子どもも)に寄り添う覚悟が力強く述べられている。教員必読。2018/04/07
Takao
6
2017年11月20日発行(初版)。第一部「がんばり屋さんを生み出す社会」、第二部「『がんばり屋さん』とのカウンセリング」の二部構成。二十年以上前に著者の言葉に触れて目から鱗が落ちた気がしたが、今回出会ったのは、鬱などからの回復は決して以前と同じように頑張れるようになることではなく、頑張らないでも普通でいられるようになること、という趣旨の文章。ついもとのように頑張れることを考えてしまうが、決してそうではない。後半のカウンセリングの場面では結構厳しく迫っている印象を受けた。2018/02/16
hozuki
4
“頑張らなければいけない”私はこの言葉に囚われていた。そうしなければ気が収まらなかった。一種の依存である。だから休みたいと思うのは弱さや甘えでなく、それを受け入れないことの方が我がまま。やりたくないと思うことは体からのSOS、そんな自分を受け入れたい。今まで“いい加減”という言葉を勘違いしていた。“いい(良い)加減”=“ちょうど良い”だった。(湯加減のような)頑張れと心や周りが呼びかけて来ても自分がキツいなら従う必要などない。考え方を治すには時間が掛かるが根気よく、周りに程良く甘えながら治していきたい。 2018/07/11
トラバーユ
4
高垣忠一郎さんの本はこれで三冊目。どれも少し難しくて内容が濃くて読み応えがある。今回のは実際のカウンセリングをもとに仮想37歳男性教員とのカウンセリングが後半に描かれているが、自分のことを言っているのかと思うほど共通点が多くて非常に参考になった。実際にカウンセリングを通じて物の考え方を直していくのは難しいけれども、やっぱり自己変革できるようになりたいよね。2018/01/11
hozuki
3
誰の期待にも答えない、自分の素直な言葉に耳を傾ける。頑張れ!、もっと!、と焚きつけられることに疲れたら休めばいい。やらなくたって構わない。顔色を覗って話題を選ぶというのはすごく疲れる。自分を押し殺している気がしてならない。私はたくさんの人に自分を曝け出したい。策謀なく自然な自分でありたい。そんな関係を私は築いていきたいと、本書を読み強く意識し始めました。そして他者に対してストライクゾーンが広くなりたい。千差万別の思考を否定するのではなく、受け入れたい。ふ〜ん、そうなんだ、と。だから面白いのだ。2019/06/26
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