内容説明
戦争とその後始末にカネも労力もつぎこんでいる国々。積極的には戦争に参加せず、高度な社会福祉制度を築いた国々。日本がすすむべき道は―?!戦争と福祉を多角的に考察!
目次
第1章 戦争と福祉をめぐる動向
第2章 戦争をする国・しない国の分岐点
第3章 戦争は戦争孤児をつくる
第4章 基地とともに暮らすことの現実
第5章 沖縄戦の「戦死者」と慰霊の意味を問う
第6章 「子ども・若者の貧困」と「経済的徴兵制」の現実味
第7章 戦争文化としての男ジェンダーと戦争をしない男性形成の課題
第8章 日本国憲法からのシュプレヒコール
著者等紹介
浅井春夫[アサイハルオ]
1951年8月、京都生まれ。日本福祉大学大学院(社会福祉学専攻)修了。東京の児童養護施設で12年間、児童指導員として勤務。白梅学園短期大学を経て、立教大学コミュニティ福祉学部教授。“人間と性”教育研究協議会代表幹事、全国保育団体連絡会副会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
19
戦争は反福祉であるという著者の問題意識から、今日の戦争法や集団的自衛権の問題、沖縄の置かれている実態から、多角的に論じられた本です。僕が思ったのは、オスプレイなどを購入する資金があるのであれば、なぜ福祉や保育に回すことができないのかといったような問題など、戦争と福祉の問題はすぐれて現代的な問題なのだと思いました。日本は憲法によって二度と戦争をせず、軍隊も持たない国だと世界に宣言しています。憲法を完全実施させる必要性が問われているのだと思いました。2016/05/17
coolflat
11
戦争法案を成立させたが、こうした動きと表裏一体で、介護保険や医療制度などを改悪して2015年度には3900億円もの社会保障費を削減した。国が戦争に向かって進む時は、社会保障費が削られて軍事に使われる。一時的には戦力確保のために戦時厚生事業として予算が搬入される事は歴史の事実としてあるが、それはよりよく生きるための福祉ではなく、死ぬ事も許さない戦力の確保と戦時体制の形成・推進のための“福死゛事業だった。戦争と福祉は対極にある。海外で戦争する国作りは、戦争と福祉の負の歴史を再び繰り返す事になる。2016/08/15