内容説明
福島と日本の未来へ“被害者のままでは終わらない”「元の生活を返せ、謝れ、償え」―国と東京電力に声を上げ、連帯し、闘い続ける人々の3年8カ月の記録。
目次
1 いまだに心の傷深く(漁具の手入れ今も―浪江町の漁師・桜井治さん;将来、被災地の今伝えたい―高校生・吉野明日香さん ほか)
2 あきらめない(この訴訟は被害者団結の象徴―生業訴訟原告弁護団・鈴木雅貴さん;愛される果実、情熱をもって―安全・安心へ努力 JGAP認証を取得、果樹園経営・佐藤ゆきえさん ほか)
3 声を上げ続ける(国と東電、山も除染を―野菜農家・渡辺栄さん;欠かせない原状回復―モモ栽培農家・相原豊治さん、京子さん夫妻 ほか)
4 明日へ、前を見据えて(撮り続け「後世に残す」―アマチュア写真家・渡部幸一さん;首相に思い伝わらない―伊達・二井屋公園を守る会・小野和子さん ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
23
89項目から成る被災者の心情を知ることができる一冊。生業訴訟は生存権を死守するための不可欠な救済手法だと思う。賠償も金額の大小が問題かもしれないが、現状回復か近い形に戻す責務が放射能汚染ではある。米作り一筋の井戸川氏は、原発はすべて廃炉にすべき。再稼働絶対反対と語気を強める(38頁)。楽器奏者の川瀬氏は、安倍政権の原発再稼働に反対とのこと(65頁)。川口氏は、秘密保護法は原発も隠す(111頁~)と警戒する。いわき雑魚塾の久保木氏は、でれすけ原発というCDを作った。2015/06/22