内容説明
声なき民に寄り添い、命をかけて真実を伝える―草わけの女性新聞記者となるフキ、その波瀾万丈の半生。
著者等紹介
吉橋通夫[ヨシハシミチオ]
1944年岡山県生まれ。『京のかざぐるま』(岩崎書店)で日本児童文学者協会賞、『なまくら』(講談社)で野間児童文芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
9
お初の作家さん。時は明治・・素直に真っ直ぐ生きた女性記者フキの半生を綴る。幼少期は辛く暴徒とされた父を信じ、飯炊き女に売られるも足尾銅山鉱毒事件を追い『声なき民に寄り添う』と云う新聞社の息子と出会い、人生が回って行く。そこで生涯の伴侶を得、子もなす。記者として日清・日露の波にもまれ夫を亡くし、それでも富国強兵に向かう政府にペンの力で立ち向かう姿が好ましい。自分が私がと前面にでるのでは無く、置かれた状況で真摯に望む姿が良い!息子と行く夫の亡くなった場所で、夫の後を継ぐと云う息子の気持ちが嬉しかったろう。2015/01/24