出版社内容情報
「大企業が儲かれば暮らしもよくなる」。そんな「神話」からの転換の道は? 自民党政治のゆきづまりも分析し発想の転換を提案!
目次
第1章 戦後日本の「経済成長」(成長率の変化に見る戦後日本;第一段階=高度成長時代と賃金爆発 ほか)
第2章 「失われた二十数年」の実態は(低い輸出依存度、重要なのは個人消費;経済運営の失敗は明らか ほか)
第3章 財界・大企業が求める経済政策―歴代経団連総会の方針から(安倍政権に「成長戦略」を求めていく;「財界総理」たちの総合政策 ほか)
第4章 アベノミクスがやっていること(大胆な金融緩和がもたらしたもの;第二・第三の失にも経済再生の力は見えない ほか)
第5章 自民党が描く近未来の日本社会(自民党新綱領が描く日本社会像;より詳細な設計図としての改憲案 ほか)
著者等紹介
石川康宏[イシカワヤスヒロ]
1957年北海道生まれ。神戸女学院大学教授(経済学)。京都大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
12
アベノミクスの経済の考え方である「おこぼれ(トリクルダウン)経済」について、大企業が潤えば国民各層がそのうち潤っていくという理論の誤りをやさしく論じられた良書です。安倍政権の経済政策が、アメリカや財界の要求をのむ形で進められていることが実証的に論じられています。また、税制も消費税を基幹税にするのではなく、法人税や所得税など応能負担原則を貫くことの大切さがわかります。同時に、自民党の復古的政策がアメリカや財界の意向との矛盾を抱えていることも論じられていました。2014/07/05
Takao
1
2014年6月25日発行。グラフなどが多用されていて分かりやすく読みやすい。大企業が潤えば、そのうちお前たちにも、と言われ続けてきたが、庶民は一向に「おこぼれ」に与れない。まさに「神話」なのだ。中ほどで財界の政策文書などの検討がされているが、基本的に財界のシナリオに沿って政治が動いているのだということを強く感じた。その財界文書で印象に残ったのが「企業の社会貢献の一環として、政治寄付を促進し」という言い草。限りなく賄賂に近い政治献金が「社会貢献」とは聞いてあきれる。2015/12/26
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