内容説明
男性信徒に熱狂的に支持され、女性信徒を恋の虜にする美貌の牧師オーティス―町で国教会の主教が自殺した時でさえ、彼の哀悼の言葉が暗い空気を払拭する。が、やがて教会の会計士が急死し、使途不明金疑惑が浮上、さらにオーティスの周囲で失踪者が出ていた事実が明らかに。町を侵蝕する悪夢に人々はようやく気づくが…英国ミステリ界の巨匠が満を持して放つ、神をも震えあがらせる不埓なサスペンス。文庫オリジナル。
著者等紹介
ラヴゼイ,ピーター[ラヴゼイ,ピーター][Lovesey,Peter]
英国ミステリ界の重鎮。ダイヤモンド警視シリーズで絶大な人気を誇る
山本やよい[ヤマモトヤヨイ]
同志社大学文学部英文科卒、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
11
ダイヤモンド警視とクリップ刑事両シリーズを終え、その他の長編に突入する。本作はブラックユーモアに溢れたサスペンス。読者が感情移入する魅力的な登場人物が登場して殺人を重ねる。動機は比較的に明瞭であるが、悪漢や殺人鬼の犯行と異なってハラハラ感がなく、面白くはあるものの頁は進まない。ラヴゼイの作品でこれまで感じられたキリスト教への揶揄が更に進んでプロテスタントといいながらカトリックの儀式重視的権威主義に満ちた英国国教会への皮肉が、本作のもう一つのテーマとも感じられた。結末の意外さは良い。中の下の作品と判定する。2021/05/15
Ayah Book
10
イケメン牧師が悪人の倒叙ミステリ。倒叙だから特に驚きはないと思っていたけど、ある意味ラストは意外。ほのぼのとしつつもブラックな、いかにもイギリス的な物語が嬉しい。2019/06/26
きりん
8
ゴールデンボーイ牧師版。おもしろかった。ちょい長いけど。でも昔ながらのイギリスの田舎の雰囲気、村の人たちの個性豊かな描写もいいので、総じてわたしは好き。犯人を追いつめようとするバンズが村人から嫌われてて不憫だけど、その嫌ったらしさのせいで、どっちを応援したらいいのか分かんなくなってくるのもまた良きかな。途中、いくらなんでも殺し過ぎだろ…と思ったけど、なんてったって死神だしな。2024/12/14
ソラ
6
内容(「BOOK」データベースより) 男性信徒に熱狂的に支持され、女性信徒を恋の虜にする美貌の牧師オーティス―町で国教会の主教が自殺した時でさえ、彼の哀悼の言葉が暗い空気を払拭する。が、やがて教会の会計士が急死し、使途不明金疑惑が浮上、さらにオーティスの周囲で失踪者が出ていた事実が明らかに。町を侵蝕する悪夢に人々はようやく気づくが…2010/06/15
Jimmy
4
ノンシリーズの方がラヴゼイは当たりのような気がしますね。前半戦の流れはそうくるか!という驚きに満ちてましたが、途中からの興味はオチをどうするかだけでしたがとはいえラヴゼイ!文句なく面白かったです。2017/01/09