内容説明
第五福竜丸を含むのべ1000隻のビキニ水爆被災船を追跡し日米政府が隠蔽を謀ったビキニ事件の真相に光をあてるドキュメント。
目次
序章 核被災に向きあう高校生たち
第1章 核の海の証言者たち
第2章 ビキニ「死の灰」世界へ
第3章 隠されたビキニ事件
第4章 放置されたビキニ被災船員の健康問題
終章 ビキニ事件と福島原発被災のこれから
著者等紹介
山下正寿[ヤマシタマサトシ]
1945年、高知県宿毛市生まれ。元高校教師。太平洋核被災支援センター事務局長。「幡多高校生ゼミナール」(1983年設立)の高校生たちとともに、1985年から、ビキニ水爆実験の被災者の聞き取り調査にとりくんでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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との@恥をかいて気分すっきり。
3
ビキニ環礁で被爆したのべ900隻以上の漁船は見殺しにされ、私達は汚染マグロを食べ続けた。この事件を追い続けた高校生や先生の驚愕の調査結果と原発事故が一本の線となって繋がる。2013/01/10
sasha
3
第五福竜丸以外にもビキニ水爆実験で被爆した漁船は延べ1000隻にものぼる。しかし、かれらの被爆はなかったことになされ追跡調査もなされなかった。仲間の漁船員が次々と亡くなって行くなか、健康への不安を抱えて生きて来た人たちの苦しみと怒りはいかばかりか。日本政府は原子力発電所を作りたいばっかりに、彼らの被爆を隠蔽したのか。2012/12/26
tellme0112
1
すごい迫力。ヒロシマ、ナガサキからフクシマではなく、ヒロシマ、ナガサキ、ビキニ、フクシマね。ビキニ事件を第五福竜丸事件にすり替えたというところが、強烈な印象。十年前、参加した原水爆禁止世界大会での発言者の言葉を思い出した。記憶の断片が1つにつながる。ロンゲラップのモルモット扱いはヒドい。原発はとめよう。ましてや意図的に核を武器として使うことは、と思う。調査し続けてきた人がいて、協力している人がいて、今この本が図書館にあって借りられる有り難さ。2013/01/18
笛吹岬
1
文章にはなじめないところもあるが、第五福竜丸以外の被ばく船について、学ぶには手頃な一冊といえる。原子力発電の導入だけでなく、遠洋漁業の構造転換についても触れているところは勉強になったが、やや政治的か。ビキニ事件については、いまこそあらためて明らかにすべき、また広く一般にも普及すべき問題であると再認識。2012/12/30