内容説明
「教育条例」「思想調査」「捏造リスト」…マスコミが伝えない煽動手法から人間観、政治観まで。
目次
第1章 有権者を煽動する手法(橋下「維新の会」の横暴;煽動の五つの手口)
第2章 「条例案」が示した橋下氏の人間観、政治観(子どもを主権者でなく「人材」と考える思想;学校を上意下達の管理統制組織にしてしまう;政治介入、政治権力で推し進める)
第3章 「橋下氏の騙し」に対抗するために(「思想調査」は全府民・全国民に向けられた;「維新の会」を支持する人々の気持ちに向き合う)
著者等紹介
小森陽一[コモリヨウイチ]
1953年、東京生まれ。日本近代文学専攻、東京大学大学院教授。専攻は日本近代文学。「九条の会」事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まめタンク
9
2012年88冊目。今、第3極で大注目の「日本維新の会」の橋下市長を批判した本です。基本的に著者が言いたい事は橋下氏が提案する「教育基本条例」に対する事はわけです。確かに、教員の強引な解雇や君が代問題に対する批判はあると思う。しかし、本書は100数十ページと薄いだけに、著者の言いたい事がイマイチ伝わらない。データを提示するわけでもなく、著者の主張かバーっと書かれている。本書では橋下氏の洗脳を批判しているが、一歩間違えばこの本自体が洗脳の対象にならざる負えないと思った。2012/11/21
ヴェネツィア
7
筆者は東京大学大学院教授で、日本近代文学を専門分野とする。その一方で、大江健三郎らと「九条の会」を立ち上げ、その事務局長を務めるなど、政治的発言も多い。本書では、橋下氏と「維新の会」の構造を明らかにしていくのだが、そのキー・コードとなるのは「言葉」であり、言葉の力によってこそ真の民主主義の実現を目指そうとするものである。橋下氏の持つ論法の構造解明は見事であり、今がさまざまな意味において危機的な時期であることもよくわかる。2012/06/23
はなびや
3
私にとっては近代文学・漱石研究者として馴染み深い小森さん。小森さんの著書を検索していたら、このような本も書いておられるのねと読みたくなった。最近、また特にメディアでの発言力を増している橋下氏。私の違和感、言語化すると小森さんが書いておられることと共通するなと思った。「子どもたちの尊厳を大事にするのが教育」正にその通り。2020/11/29
ハンギ
2
橋下市長とはいったい何者か、ということを追求した本で、安かったのと、共産党系の出版社から出ているということもあり、気になっていた。たまたま近くの本にあったので見てみた。市長の問題は憲法に抵触しかねない条例案を推進しようとしたり、言葉の問題に東大教授の小森さんは違和感を持つようである。ただハシズムにどのように対抗するか、という肝心の部分は曖昧だった。もっと突っ込んで欲しかった。橋下市長は小泉さんの影響があるらしい。というか二番煎じなのか。たしかに小泉路線っぽいものの地方政治バージョンなのかな。2012/06/28
ノリオ。
1
最近、民主主義や憲法をシニカルに形骸化するのではなく、それが希求された文脈に立ち返りながらその意味を再考しつつ、しっかり求めていこうよって姿勢の人にパラパラ出会うなぁと思っていた。こういう姿勢や運動のもとで、法の固定的な性質は統治性の歯止めになりうるのね。2013/02/14
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