内容説明
88年ぶり、生物学上今世紀最大の発見のひとつともいわれるカカトアルキを知っていますか。顔はカマキリ、体はナナフシの姿で、つま先をあげてかかとで歩く肉食の虫です。体長2センチほどのこの新昆虫には、昆虫進化の大きな謎も秘められています。南アフリカでの採集調査にも参加した研究者が紹介する、小学生中学年からの本です。
著者等紹介
町田龍一郎[マチダリュウイチロウ]
1953年、埼玉生まれ。理学博士。東京教育大学理学部卒、筑波大学大学院修了、現在筑波大学大学院生命環境科学研究科/菅平高原実験センター准教授。専門は、昆虫比較発生・形態学、特に昆虫類の高次系統、起源の研究
東城幸治[トウジョウコウジ]
1971年、福島生まれ。理学博士。筑波大学第二学群卒、同大学院、同大生物科学系準研究員、科学技術振興事業団科学技術特別研究員、日本学術振興会科学技術特別研究員を経て、信州大学理学部生物科学科助教(信州大学山岳科学総合研究所研究員も兼任)。専門は、昆虫の比較発生学、系統進化学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びぎR
1
しょこたんのラジオ番組で知って読んでみました。88年ぶりに発見された新しい「目」の昆虫カカトアルキを写真と絵で紹介しています。「目」とはバッタとかチョウとかハチとかに相当する大きな分類です。カカトアルキは鎌のないカマキリのような肉食の昆虫でアフリカ南部などに生息しています。その名の通り脚の先端をあげて踵だけで歩きます。他の昆虫にはない特徴が色々あるようですが私は「他の昆虫」について詳しくはないのでその辺は「ふ~ん」って感じでした(^^;)2016/07/19
ビリー
1
2002年、昆虫綱の中に新たにカカトアルキ目が追加された。新種の発見が相次いでいる昆虫学界においても、あたらしい目が創立されるのは88年ぶりとのこと。そんな大発見からもう10年以上。そろそろ岩波科学ライブラリーとかが1冊出してもよさそうなもんだけどな。この本は2007年の出版。子供向けの本で内容も浅いけど、この出版当時の情報はこんなもんなのかもしれない。2014/05/10
なにがし
1
新しく発見された「カカトアルキ目」の、発見に至るストーリーや形態、生態などがうまくまとめられており、一見子供向けの本に見えるが、誰でも楽しめる内容となっている。踵で歩く理由が今後の研究で発見されるといいなぁ(餌の捕獲のため、というのはちょっと疑問)2012/06/01