内容説明
「平和主義者」昭和天皇の虚像はいかにして創られたか?国家の命運を左右した軍部と宮中・重臣グループの暗闘。
目次
第1章 密かに始まった「終戦」工作(東條内閣を退陣に追い込む;東條内閣打倒工作のゆくえ ほか)
第2章 天皇の継戦意思と「終戦」工作(遅延する「終戦」工作;「和平」工作との関連で ほか)
第3章 「聖断」の決定経緯とその真相(「聖断」シナリオ着想;対ソ工作と政策転換の決意 ほか)
第4章 受け継がれる「聖断神話」(降伏決定前後の昭和天皇;戦後における「聖断論」の流布と意味)
著者等紹介
纐纈厚[コウケツアツシ]
1951年岐阜県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程取得退学。山口大学人文学部兼山口大学独立大学院東アジア研究科教授、政治学博士、日本近現代史、現代政治論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇵🇸🇾🇪🇱🇧🇨🇺
7
2006年刊。著者の専攻は現代政治論。 高岩仁『戦争案内』を読み、「聖断の虚構」を知ってから読もうと思っていた本。わが国では「天皇の戦争責任」というとイデオロギー問題になってしまうが、従軍慰安婦が人権問題であるように、イデオロギーを持ち出す事無く天皇の戦争責任を史実に則って追求した本。 大きな流れとしては、昭和18年以降の戦況の悪化→東条内閣の倒閣→終戦内閣を組閣。しかしながら実際には東条も陸軍継戦派も強力すぎて戦争が長引いたというのが定説。→2023/10/14