目次
第1部 子どもの問題と自己肯定感―「魂(いのち)の故郷」をもっていますか?(子どもの問題とどう向き合うか;子どもの「パニック」「攻撃」と「不安・恐怖」;「守りの枠」のない子どもたち ほか)
第2部 生きることと自己肯定感―「さようなら」と「こんにちは」の峠(「さようなら」と「こんにちは」を生きる;人は自分の物語を創りながら生きる;「人生を生きること」と自己肯定感)
第3部 平和と自己肯定感―「大きな存在」に身をゆだねる(平和と「心の教育」と子どもの心;「自分が自分であって大丈夫」という自己肯定感;二つの「自己肯定感」と日本のゆくえをめぐって)
著者等紹介
高垣忠一郎[タカガキチュウイチロウ]
1944年高知県生まれ。1968年京都大学教育学部卒。現在、立命館大学大学院応用人間科学研究科教授。専攻、臨床心理学
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
86
読むのは4回目です。書いてある内容はもっともだし、凄く共感もあるのですが、いざ自分の事になると、なかなか難しい事が多いです。「自分が自分であって大丈夫」という「自己肯定感」を持つには長い時間がかかりそうです。それは自分一人が頑張って得るものではなく、他者との関わり、共感や赦しの中で育てて行くものなのかな、と。また何かの折りに読み返したい本です。2016/02/15
も ち@病気療養入院中のためオヤスミしています。
26
読友さんが読んでいて、心に残っていたので読む。そうか、やはり私は「見捨てられ不安」を抱え、細い細い道を綱渡りのように生きてきたのだと感じた。時に道から落とされ傷つきつつ。安全な場所である家庭が闘いの場であったのは、もう過ぎてしまったことなので仕方が無い。今から私が生きて行く中で、「私がいてもいいんだ」と思える場所を作りたい。道から落っこちてしまっても、私の心身を守る「セーフティーネット」も欲しい。人に優しくありたい。人を愛していける人になりたい。そのためにもまずは「自分で自分を認める」ことから始めたい。2016/03/01
青蓮
21
読むのは3回目です。「自分が自分であって大丈夫」という感覚や自己肯定感が欠落しているので、それらをどうすれば得られるのかな、と何かヒントがないかと再読しました。ヒントになったのは149頁のある小説の引用部分。結局私は「セーフティネット」があることに気が付けなかっただけなのかなと思いました。転んでも躓いても墜落しても、実は何ともない。それは私を受け入れてくれる大切な友人や知人の存在が私の「セーフティネット」になってるからなんじゃないかなぁとぼんやり思いました。2014/05/03
香菜子(かなこ・Kanako)
6
自己肯定感の正しい意味と自己肯定感の大切さをわかりやすくまとめた良書。自信過剰や自己愛過剰、自尊心過剰は問題だけれど、自己肯定感は生きていくために不可欠です。子供に自己肯定感を持ってもらうためには、子供と接する大人たちが自己肯定感の大切さを理解しなくては。2017/09/18
robo
5
「指導」とは脅さすに相手をその気にさせることである。「見守る」とは相手に安心感を与えることである。「叱る」とは安心感のための境界線を子どもの中につくる行為である。などなど,心にしみる文が並ぶ。「子育てハッピーアドバイス」シリーズの主張に通じるものがあり,自分としては筆者の主張にかなり共感した。自分の能力や特性等に根拠をおいた「自己肯定感」はもろい,という主張は,「できる」ことを増やすことで自己肯定感を高めようとしていた自分の立ち位置を見直すきっかけとなる文だった。2011/01/05