内容説明
賃金とは何か、それはどのようにして決まるのか、賃金引上げは物価上昇をまねくか、労働組合の意義と役割は、など、マルクスが労働者に直接語りかけた科学的経済学の入門書。資本主義の階級関係を中心に説明した『賃労働と資本』と、完成した剰余価値論をふまえて賃金闘争の意義を解明した『賃金、価格および利潤』の二編を収める。
目次
賃労働と資本
賃金、価格および利潤
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スクワッター
2
★☆☆☆☆ 私は資本主義者だが、共産党員の友人に勧められて読んだ。この本を読めば、マルクスの労働価値説に納得できると聞いて期待して読んだが、全くもってガッカリ。読めば読むほどマルクス経済学は間違いだらけのように思える。コモディティ商品の大量生産で、価格以外の価値が均一化された超単純な消費財なら、マルクスの論理は成り立つだろう。しかしながら現実は、商品の差別化が進み、多品種少量化が進み、資本家と労働者の明確な階級断絶はなく、貧困問題は解消に向かい、常にイノベーションによって社会は進歩している。2023/09/15
〆さば
0
書名の通り、「賃労働と資本」と「賃金、価格および利潤」の2つの論文を収録した本。どちらの論文も内容は似ており、主として労働者が得る賃金と資本家が得る利潤の関係について書かれている。19世紀に書かれたものであるため時代背景を知らないと読みづらいところがあるが、論旨は理解しやすい。2012/05/21