内容説明
今日の独立楽器にまでチェロを完成させたパブロ・カザルス。ファシズムのスペインを追われ、平和を求めつづけたその芸術活動の足跡を、自らの音楽とのかかわりにもふれて描き出す。
目次
ヴェンドレル
カタルーニャという国
少年時代
修業時代
カフェ・トストの日々
バッハ『無伴奏チェロ組曲』との出会い
マドリード
バルセロナに戻る
高まる国際的名声
第一次大戦前後〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
RED FOX
11
チェロ奏法に革命を起こし、あいつの両腕を斬り落としてやる、と脅されても「私の武器はチェロと指揮棒だけだ」とファシズムにもフランコ政権にもその支持諸国にも啖呵をきり、平和を訴え奔走したパブロカザルス。また「音楽は民衆とともに」と貧しい人にこそ音楽を聴いてもらいたい、と私財と才能をつぎ込み数々の楽団や音楽祭を作ったカザルス。その一生のダイジェスト、文章も丁寧かつ簡潔で読みやすかった。幼少の頃の先生から晩年の敵対国まで数多くの彼のアンチ達が、彼の1プレイで撃沈するのがマンガみたいだ。2016/09/09
RIENZI
2
チェロ界のエポックメーカー、カザルスの伝記。今までは『バッハの無伴奏組曲の音楽性を見出した人』という認識しかなかったが、現在では当たり前に使われている奏法の数々を生み出してもいたことを知った(それによってチェロの音楽的可能性が飛躍的に広がった)。平和のために力を尽くした、という側面もある。改めて、すごい人だったんだなぁ、と感心しきり。2012/07/22
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